1億2000万円の運用でもバランスファンド1本でOKであり、別に手間をかける必要もありません
2021年2月2日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
以前、拙メルマガで『☆質問大会!』を実施したときに
1億4000万円のご資産の運用についてコメントしました。
野里さん(仮名)という方のご質問でした。
どう運用の骨格を作ればよいか迷っておられました。
(実際にいただいたメールでは、
これまで個別株の経験があったこと、
できればセミリタイアされたいこと、
資産額が多いのでどうしても、「それに見合った最適な運用スタイルを見つけないといけない!」というプレッシャーがあることなども、書いていただいていました。)
あなたなら、どうしますか?
今まさに、
あなたは投資信託で投資を行っていると思いますが、
仮に突然、資産が1億4000万円に増えたら、
まったく違う投資のカタチを模索すると思いますか?
あるいは、模索しないといけないと感じますか・・?
わたしの考えかたはシンプルです。
投資の基本的な心構え、方法論はいささかも変わりません。
(そもそも)変える必要もありません。
もし、ですよ、
世の中に『個別株投資』しかなければ、
600万円と1億4000万円では、
株式で分散ができる度合いは大きく違ってきます。
(自然、資産配分の中身も違ってくるわけです)
あるいは『実物不動産』という投資対象に限れば、
そもそも大きな資産がなければ、
選択肢が限られてしまいます。
(不動産の場合もっとスケールが大きくて、
たとえば1億4000万円と14億円でも、
購入できる不動産の間口の広さが違ってきます)
上記のような外堀の事例を眺めてみると、
(逆に)『投資信託』という資産のユニークさが浮かび上がってくるはず。
あなたの資産の多寡によって、
チョイスできるものが違ってくる、ということがありません!
・・きわめて民主的な金融ツールだと思いませんか?・・
たとえばニッセイ外国株式インデックスファンドを、
月500円だけ積み立てる人もいれば、
去年の3月マーケットが暴落した際、
1億円相当を購入した人も(もしかすると)いるかもしれないわけです。
さて、冒頭の野里さんの質問に戻りましょう。
野里さんのリスクの許容度がある程度高いという前提ですが、
セミリタイア生活を自身で満喫しながら、
定期的なインカムを自分でコントロールされたいなら、
1億4000万円の資産のうち2000万円は
生活防衛資金として預金等で保有。
(ココの購入のしかたがもっとも難しいですが、
今後24カ月程度の「拡大つみたて」で資金を投入し切ることが重要と考えます。)
以後、毎年3~4%程度、
『定率』でバランスファンドから継続的に『引き出し』を行いながら、運用を続ける。
以上です。
別に投資スタイルを複雑にする必要はありません。
また、資産管理に手間をかける必要もありません。
バランスファンドの強みは、
いつでも同じ資産配分で、同じリスク量を維持してくれることです。
(引き出しをしながら運用を続けても、シンプルな資産管理を保てます。)
当然、けいぞく的な引き出しには
『定期解約サービス』を利用するわけですが、
仮にですよ・・、
10年超の長期で年4%の運用が達成できれば、
年『4%』の引き出しを続けたとしても
20年、30年後、運用資産の『名目価値』は変わりません。
逆に、名目の資産価値が逓減してもよいと思えるなら、
年の引き出し率を「4.5%」にしても構わないわけです。
あるいはあなたの人生スケジュールの中で、
55歳から60歳にかけて、
夢の実現のため多くの資金を必要とするなら、
5年間のみ引き出し率を「5.5%」にし、
その後「4%」に戻すという調整があってもよいと考えます。
○ 資産が減った年も、
必ず4%分、毎年解約を続けるということには、
ある種の『胆力』が要求されます。
特に、
市場が急落したような年は
通常通りの「引き出し」が躊躇されるわけです。
気持ちはすごく分かります)
でも、です。振り返ってみてください。
市場が急落してしまった年に、
あるいは市場が急騰してしまった年に、
あなたは「つみたて」を休止しますか?
しないですよね。
『取り崩し』も同じです。
私たちが心のどこかで感じている、
大きな資産を持ったら、
より高度な、より複雑な運用を実施しないと・・というのは、単なる固定観念なのです。
カテゴリ:バランスファンド