金融機関にモノ申す

相続発生時に「どうしてここに口座を開かないといけないの?」と感じたことはないですか?

2021年1月30日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

人間は生きている間もタイヘンですが、
死んだあともタイヘンです。

「いろいろ手続きがあるため」ですね。

実際に『相続』を経験した方々に話を伺うと、
金融機関ごとで都度都度「手続き」が必要で
仕事量としてもかなりのボリュームになってしまうのだそう。

先日、マネックス証券のサイトを見ていたら、
マネックスSP信託が行う『WEB相続』というサービスがありました。

「WEB相続」では金融機関の相続手続きから不動産の名義変更、
相続税申告までまとめてお手伝いいたします。

本来、相続が発生すると
複数の窓口で手続きを行う必要がありますが、
WEB相続をご利用いただければ、
お客様の代わりにマネックスが相続手続きを行います。


どうやら金融資産の相続手続きを
一手に代行してくれるサービスのようです。


相続人が確定しており、
また遺産分割協議が整っていても、

銀行は銀行で
預金名義を相続人に移し、

証券会社は証券会社で
株式や債券や投資信託の名義を相続人に移し、

不動産は不動産で、
所有者の名義を相続人に移転登記する必要があります。


窓口バラバラ、
手続きもバラバラ。という状態です。

 

 




そして、ここからが
「あら不思議?」な事態なのですが、

たとえば・・

〇 みずほ銀行で預金名義を移すと、

財産を引き継いだ人も
なんとなくみずほ銀行で口座を開いて
そこに預金が引き継がれたりします。

 

〇 資産を遺した人が野村證券で口座を持っていたら、
なぜか相続人も野村證券に口座を開き、
そこで株式や投資信託を引き継ぐことになります。

 


ここには、

自由が、

欠落していると思いませんか?

 




ほんらいみずほ銀行の預金を相続したとしても、
相続人には、
そのお金をどこの銀行口座で持つかという『自由』があるはずです。


「えーっと、わたしの分の800万円は、
住信SBIネット銀行に振り込んでもらえますか」と、

相続人が答える前に、

「カンさまの相続分800万円はいかがいたしましょう?
当行(みずほ銀行)にお預けされますか?
それとも他行にお振込みされますか?」と、


いちいち確認して欲しいですよね?

(もちろん確認している銀行もあると思いますよ。)


もっと解せないのは証券会社です。

仮に野村證券で有価証券を相続したとしても、
相続人には、
その資産をどこの証券口座で持つかという『自由』があるはず。

少なくとも「国内の個別株式」に関しては、
どこの証券会社でも等しく所有することが出来ますから、

 

「カンさまの相続分の個別株式はいかがいたしましょう?
当社(野村證券)にお預けされますか?
それとも他の証券会社に口座移管されますか?」と、


ひと言聞いて欲しいと思いますが、

そんなふうに聞かれたよというお客様に、
わたしはこの20年間、
ひとりも・お会いしたことがありません。


人の気持ちに手が届くサービスの起点は、
その人(消費者)の立場に立ってものごとを見ることです。

実は金融機関にとっては、
相続で資産の名義が移るというのは「一大・ビジネスチャンス」なのです。

大きな潮流として
今後の「相続」発生では、

有店舗型の銀行、証券会社から、
オンラインの銀行、証券会社への大規模な「資産移動」は避けられないと考えます。

 

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