投資信託あれこれ

見た目「外貨」に見えなくても、あなたはすでに「外貨」を持っています

2021年1月20日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

皮肉といえば皮肉です。

真実」のほうが入り組んでいて、
見た目凡庸であり、
それを聞いても心を動かされたりはしないもの。

ときに「」のほうが力強く明快で、
それを聞くことで心がギュッと掴まれたりするものです。

ピンストライプのスーツを着たプルデンシャル生命の人が、

カンさま。
「円安対策」として外貨建て商品をご検討されてみてはいかがでしょうか?

 

と呟くと、自分の弱点を守ってくれそうな気がしてそちらになびきそうになります。

 

 

あるいは香港在住のIFAの人が、

カンさま。
日本は深刻な財政赤字を抱えています。
また超高齢化社会の進展を考えると、
『円という資産のリスク』が増していきますよ。

 

と真顔で言われると、そうかな?そうだよなぁ・・と思い始めてしまいます。


そこで、なのですが、
日本のリスクを払拭するために
オフショアの○○社が提供する海外積立保険があります!
USドル建て、ユーロ建て、ポンド建ての中からお選びいただけますよ。。


なんだか上記のことばが、
救世主のように思えてきたりもするのです。

 



外貨も持っていたほうがイイですよね?」という質問は、
それだけ日本に対する不安が大きい証拠ではないでしょうか。

しかし、慌てないで!

見た目「外貨」に見えなくても、
あなたはすでに「外貨」を持っていますよ、というのが今日の結論です。

 


 

たとえば、
日本の国内で設定されている
『先進国債券ファンド』とか。
『先進国株式インデックスファンド』とか。

これらは・・
『円建て』で買いますね。

また『先進国債券ファンド』を解約すれば、
『円建て』でお金が戻ってきます。

おまけに『先進国債券ファンド』は円建てで価格が表示されるので、もうこれは間違いなく「円建ての資産」である、というのは【間違っていますよ!】


『先進国債券ファンド』の中身は、
さまざまな国の外貨建ての債券ですから、100%【外貨建て資産】なのです。

「円」という通貨は決済に利用されているに過ぎません。


あなたが円建てで
『先進国株式インデックスファンド』を買っても立派に100%外貨資産であり、円が高くなったり、円が安くなったりという為替のリスクをもろに受けます。

→ 仮に円安が進むと株価は変わらなくても、ファンド価格が上昇したりします。

なーんだ、
じゃあ、別にわざわざ外貨預金とか、
USドル建て終身保険とか、

海外積立保険とか、
ドル建てでETFを買わないといけないとか、ないんだ。 


⇒ はい、その通りです。

 




次に投資信託に絞ってお話ししますと、

1.日本の資産に投資を行うケース 
2.日本以外の資産に投資を行うケース

がありまして、

2.の場合、決済通貨として「円」を用いるケースと、
「外貨」を用いるケースに分かれます。

『円建て』で売り買い(決済)はするが、
日本以外の資産にも投資を行うのは?

⇒ 日本国内で設定されているファンドです。


たとえば『新興国株式ファンド』であっても、
日本国内で設定されていれば、
それは「国内の公募投資信託」という言い方をします。

いっぽう『外貨』で取引するのは、
外国で設定され、
日本で販売されている『外国籍投資信託』です。

(外貨建てMMFがその代表例。)

 


 

要はその投資信託が
どこの国で設定されたか』で、

国内籍・投資信託 (円建て←決済通貨)と、
外国籍・投資信託 (外貨建て←決済通貨)に分かれるだけなのです。

 


じゃあ、外国籍の新興国株式ファンドと、
国内籍の新興国株式ファンド、どっちがいいかというと、
わたしは国内籍の新興国株式ファンドをお勧めします。

円建てで購入し、円で価格が表示されるほうが、
ふだん為替リスクを意識しすぎることがないためです。

FPの井上ヨウスケさんの動画でも、このことが詳しく解説されています!



 

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