経済よもやま話

アルゼンチンで、一度きりの『富裕税』法案が可決

2020年12月15日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

JETRO(ビジネス短信)の以下記事より。
議会で「富裕税」の法案可決(アルゼンチン)

アルゼンチンは
新型コロナウイルスの感染者が累計で150万人を超え、
コロナの影響が深刻です。

上記記事によれば、

今回の法案の名称
「新型コロナウイルスの世界的流行の影響を緩和するための連帯的および特別貢献」が示唆する通り、

・コロナ対策のため、
・1度きりで、
・超富裕層の個人から税を徴収する

という主旨のようです。

 



画像元:CNBC
‘Millionaire’s tax’: Argentina passes levy on the super-rich to help pay for Covid response


課税の対象は2億ペソ(約2億5,400万円)以上の資産について。
(以下、引用です。)

○税率は以下のとおり。

国内に有する資産に対し2%~3.5%
国外に有する資産の場合、3%~5.25%

(法案では、国外に保有する資産の
30%を国内に送還した場合、
国内の資産と同等の税率を課すとしている)



本稿で超富裕層という言い方をするのは、

課税対象は、
アルゼンチン全人口のわずか0.02%、
約1万2,000人程度になる見込みのためです。

 

税の使い道については、
新型コロナウイルス感染対策に20%、
中小企業への補助に20%、
人材育成プログラム(Progresar)に20%、

貧民対策に15%、
天然ガス生産関連政策に25%が
割り当てられる予定としている(12月4日付現地紙「インフォバエ」と6日付現地紙「ラナシオン」)。



今後、コロナ収束に向け、世界各国でさらに財政支出が増す中、
とくに財源が限られる新興国では
「富裕層」に税を課す例が続出する可能性があるのでは・・。

 



次の「次」を睨んだ場合、
2022年や2023年には
世界的に「増税」がキーワードになってくる気がします。

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