投資家の感情リスク

じゅん@さんの、やさしい注意のことば。⇒「投資したい病」になっていませんか?

2020年12月7日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

「投信で手堅くlay-up!」の管理人じゅん@さんは、
投信ブロガー『第一世代』にあたる重鎮です。

いつも、
まるで教科書の中でやさしく語りかけてくれる先生のように、
インデックス投資の「基本」のお話をしてくれます。

まずはこちらの記事をぜひご一読ください。
「投資したい病」に注意。株価好調時はリスク資産比率を確認しよう。





トントン拍子に株や投資信託の含み益が増えていく状況を見ていると、
投資しなきゃ損となりがちですが、


はい、(まさに)なりがちですねw

誰もが思い当たるふしがあるのでは?


マーケットが高揚する状態を、
こう傍から見ていますと、

なんと言いますか、
自分が地下鉄飯田橋駅で、

「市場の今まさに急騰の瞬間」号に、
乗り遅れる(=取り残される)ような錯覚に襲われるわけで・・。

 

これを逃したら、
もう『儲けられる機会』はないのでは?と思い込んでしまうわけです。


一度、深呼吸してみましょう。



コロナ直前の2019年も、
そして2017年も、

そして2013年や2014年も、
株式市場は好調で、株価指数は大きく伸びました。


中期の時間軸で見ると、
2006年ごろの、
マーケットの高揚感も強烈だったことを思い出します。


2006年当時はアメリカの不動産市場が絶好調で、
日本も円安になり株価が好調で、

BRICsと呼ばれた、
中国、インド、ロシア、ブラジルの新興国を中心とした、
新興国市場も沸騰していました。


今回の、
コロナによる過剰流動性が生み出しているバブル?も、
「まるで熱気球がどんどん膨らむような・・」という相場に(これから)なるかもしれません。

 

たとえば年が明けて(日本のメディアでいえば)
週刊現代や、週刊ポストあたりが、

「株価急騰に乗り遅れるな!
今から狙い目の日米厳選10銘柄はこれだ!」

みたいな記事を出し始めたら、
それこそ要注意のシグナル点灯でしょう。




 

結局のところ
インデックス投資とは、
内なる悪魔の声(=あなたの感情の声)との闘いです。

これを逃したら、
もう『儲けられる機会』はないのでは?

というのはハイ、単なる思い込みなのですよ。


まるで物理現象のように
上がり過ぎた市場は必ず下がりますし、
また下がり過ぎた市場も必ず上がっていきます。

(私たちはその時間スパンを正確に言い当てられないだけなのです)


じゅん@さんのお言葉。

リーマン・ショック以降、
コロナショックという短期の調整はありましたが、
ここ10年内に投資を始めた方は基本的に上昇相場しか知らない訳です。

あなたの「リスク許容度」は本当に正しく見積もることが出来ていますか?

何となく、最近リスク資産比率が高くなっているのを許容していませんか?
(それが、投資したい病)


そう、
あなたがまずやるべきことは、
自分自身に問うてみることでしょう。

 

 

「お金回り全体の、バランスってどうよ?」と・・。


記事の中でじゅん@さんも勧めておられますが、

自身がどれだけリスクを負っているか、
負っていないかの目安は

資産全体から見た、
リスク資産と無リスク資産の『比率』です。


手元の預貯金等(無リスク資産)は、
金額ベースで突然増えたりしませんが、

リスク資産(投資信託等)はその価格が上がると、
資産全体から見た『比率』は自然に上がっていってしまうわけで・・。

たとえば、
「ちょっとこれ(市場)、上がり過ぎなんじゃないの?」
という心配の気持ちをうまく利用して、

リスク資産と無リスク資産の『比率』をもとに戻すという名目で、
リスク資産(投資信託等)を一部・解約するというのはアリかもしれません。

 


市場が高騰している今だからこそ、
意識して冷静に、

「ワタシにとって
最適なリスク資産と無リスク資産の比率って?」
考えてみる機会なのです。

 



 

また、株式市場の格言に『休むも相場』というものがありますが、

マーケットが上がり続ける中では
「つみたて投資」を続けるのがちょっと怖くなる、
あるいは馬鹿らしくなってくるという傾向があります。

 

(つみたてを)ちょっと休もうか・・

 

という気持ちに傾きがちです。


心情としてはじゅうぶん理解できますが、
毎月の「つみたて」は休むべきではありません。

なぜなら、マーケットは2年後も
今のトレンドのままかもしれませんし、
3か月後に急変するかもしれませんし、

今後どのような軌跡を描くかは
(究極的には)誰にもわからないためです。

 



 

いったん「つみたて」を休んでしまうと
また『いつ市場に戻るか?』と悩み抜きながら、

実際「市場に戻ってくるまでの間」は
投資資金の新規投入が出来なくなってしまうわけです。

 

この、投資元本の欠落こそが、
のちのち、
資産運用の成果(最終運用資産額)に
影響を及ぼす可能性があるのです。



最後に、じゅん@さんの金言を。

 

投資効率を言い出すと、当面必要の無いお金は
全てリスク資産に投じるのが一番効率的ですが、

リーマン・ショック時のように、
そこから50%のマイナスは私は精神的に耐えられません。

我が家はリーマンショックの後は
「金融資産の50%は無リスク資産で持つ」というルールを厳守しています。

 

これこそが、
骨太の運用ポリシーと呼べるものではないでしょうか。

じゅん@さん、良記事をありがとうございました!

カテゴリ:投資家の感情リスク

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