インデックス投資全般

アント・フィナンシャルの上場延期に思うこと

2020年11月27日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

先日のカウンセリングで
お客様から興味深いお話を伺いました。

その方は香港の証券会社に口座をお持ちで、

アリババ・グループ傘下の「アント・フィナンシャル」の新規株式公開(IPO)に応募されたそうです。

同社の資金調達規模は
IPO史上最大の300億ドル(約3兆1,500億円)超を見込んでいました。

しかし、上場予定の2日前になって、
急遽「アント・フィナンシャル」の上場は延期されます。
(上海市場、香港市場双方で・・)


これは前代未聞の出来事(事件)と云ってよいでしょう。


そのお客様は、
「カンさん。IPOに当選していたらと思うと、ぞっとします」
と言われていました。

 

 


中国は一面、
日本以上に資本主義的な側面があります。

アメリカ人とメンタリティーが似ており、
起業家精神も旺盛です。

たとえば前掲の「アント・フィナンシャル」は
世界でもっとも進化した「金融テックのサービス会社」と云えるのです。

同社はモバイル決済を起点としていますが、
実質、預金口座の機能を担い、
MMFなどの金融商品を販売する窓口にもなり、
また小口の融資も行っています。


中国の場合、たとえば金融行政を司るのは、
一般の国でいうところの金融当局ではありません。

中国では、
共産党という組織が政府の上部に鎮座しています。


したがって「鶴の一声」で
すべてがひっくり返る可能性があるのです。

今回の「アント・フィナンシャル」上場延期は
それを如実に表しています。


中国において、
国のグランドデザインを描くのはあくまで共産党という組織であり、

規制、法令の変更、
そのさじ加減を甘くしたり辛くしたり、
調整を行うのも(表向きは行政ですが、)
その司令塔は共産党そのものなのです。


「カンさん。IPOに当選していたらと思うと、ぞっとします」
というお客様の意味は、

独特の国家体制を持つ国の
リスク資産を有することへの、
「顕在化したリスク」を実感された本音のひと言なのだと思います。

 



 

「カンさん。ちょっと待って!
全世界株式インデックスファンドを持つわたしも、
中国株式保有しているけど大丈夫?」


そこ、鋭いご質問です。

仮に向こう10年で中国の株式市場が他のマーケットより大きく伸びれば、
『全世界株式』に占める中国株の割合も高まっていくわけです。

インデックス投資とは
好きとか嫌いで行う投資ではありません。


インデックス投資は
あなたの高い倫理性に隈なく応えることも出来ません。

強権も、政治力学も、既得利権も、
インデックス投資には含まれます。

清濁が入り乱れ、玉石が混交しているわけです。

それが
市場全体を隈なく保有するということ・・。 

今日は少しネガティブなお話だったかもしれませんが、濁りの部分も丸々含めてインデックス投資なのです。

 

 


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