リスクヘッジのために資産運用をするのですか?
2020年11月23日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
この仕事(相談業務)をしていると、
「〇〇が起こったら怖いので、投資を始めたいんです」という声をしばしばお聞きします。
〇〇の部分は?
インフレーションであったり、
円安であったり、
日本の財政危機(財政破綻?)
などが挙げられます。
お気持ちはすごーくわかります。
不安や危機感から行動(アクション)を起こすのは
私たちヒトの一大特徴ですから。
(「投資と書いて備えと読む」と言及する専門家もおられるくらいです)
さて、ここからは「もし」の話です。
もし、これから10年~20年と、
インフレーションもほとんど起きず、
円安にもならず、
日本の財政危機も表面化しなかったら、
「あーあ、資産運用なんてしなければよかった」となるのでしょうか?
なりませんよね(^^)
そのような事態がたとえ起こらなくても、
あなたの資産をポリシーを持って堅実に増やしていくことは
「是」であり「必要」であるからです。
資産運用はリスクヘッジのために行うのではありません。
まったく個人的に行うコトなのです。
ひとつ、カウンセリングの現場から感じることがあります。
恐怖心から運用を始めてしまうと
別の不安、恐怖が顕在化したときに、
安易に投資ポリシーを変えてしまう恐れが出てくること。
(結果として不必要な金融商品の入れ替えが起こります)
わたしが思うに、
リスクヘッジのために購入する商品は『保険』ではないでしょうか?
〇 万一病気やケガで入院してしまったら
〇 万一、クルマを運転していて事故を起こしてしまったら
このようなリスクをヘッジ(回避)するために、
自動車保険や定期保険や医療保険は存在し、
あなたもこれら商品を購入するわけです。
さて、いきなり28年後に飛びますよ。
28年経っても、
〇 早く死なずに
〇 病気やケガで入院もせずに
〇 クルマの運転で事故も起こさずにいたら・・?
それはそれは、
なんとも
『めでたいこと』なのです!
立派にリスクヘッジの役割を果たした、とも云えます。
保険とは、起こりそうもないことだけれど、
(万一起こったら困るので)気持ちの安心料として入るモノ。
ですから、
何も起こらず保険金も入ってこなかったら、
「保険に入っていて良かった!」と呟いてよいのです(無事だったわけですから!)
いっぽう、資産運用とは?
おそらく起こるであろうことに備えて続けるコトです。
「おそらく起こること」って?
長い目で見たグローバル経済のプラスの成長であり、
株式市場の(物価上昇率を上回る)成長であります。
こう言うと天邪鬼な人は、
もし、グローバル経済のプラスの成長も、
株式市場の(物価上昇率を上回る)成長もなければ、
株式ファンドを持ち続けてもぜんぜん意味ないじゃん!」
と突っ込まれるかもしれません。
しかし、仮に長期に渡ってグローバル経済の成長もなく、
株式市場の成長もなければ、
預金で持っている資産もだんだんと目減りしていくはずです。
なぜなら、あなたやわたしの仕事、周りのお仕事、経済全体が
立ち行かなくなっている可能性が高いためです。
最後に、どうぞ起こりそうもないこと(万一起こる可能性もあり)と、
おそらく起こるであろうことへの資金の振り分け方にはご注意を。。
カテゴリ:投資家の感情リスク