バランスファンド

最近、カンさんの世界経済インデックスファンドに対する言及が少ない気がします。これって・・・【あなたの疑問に答えます!】

2020年11月20日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

当クリニックのお客様から頂戴した
さまざまな『質問』にお答えしていく、

その名もズバリ、
『あなたの疑問に答えます!』



第11回!
時任さま(仮名)愛知県

私が最初にカンさんのブログを知ってから10年ほど経ちます。
いつもブログを拝見し勉強させてもらっています。

私はこの6年ほど、
一途に世界経済インデックスファンドの積立てを継続しているのですが、
最近、カンさんが同ファンドへ言及する機会が少なくなってきている印象を受けます。

やはり、コストの面などで
同ファンドの優位性が薄れてきたと理解したほうがよいのでしょうか。

正直なところ、低コストファンドへの乗り換えも視野に入れているので、
カンさんの現状認識をお聞かせいただけると幸いです。

答え)

現状(世界経済イ・ファンド)のままで問題ございません。
ただし、以下の条件に合致するなら、乗り換えもアリと考えます。



時任さん、ご無沙汰しております。

そうですね、
たしかに「世界経済インデックスファンド」への言及が減っていると思います。

 



これは同ファンドに対する評価が下がった、という意味ではなく、
単に『同ファンドが目立たなくなった』ということでもあります。

バランスファンドの評価は、
他のバランスファンドとの比較で相対的に為されるべきと考えます。

以下一例ですが、
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)03312175 と、
世界経済インデックスファンド(64315091)の直帰3年間の騰落率の比較です。




画像元:ヤフーファイナンス


18年、19年と、
世界経済イ・ファンドは、
バランス8資産に比べて成績で劣後していましたが、

コロナ渦の状況になり
(REITの組入れがあるか・ないかがひとつの分かれ目となって、)
逆にコロナ拡大後は、世界経済イが、バランス8資産を上回る成績になっています。

※運用管理費用で『0.4%近い』差があるにもかかわらず、です。


今後長い目で見た場合でも、
世界経済イ、バランス8資産、セゾン・バンガード、楽天インデックス・バランスなどのバランスファンドの成績に『大きな差異』が生じるとは思えません。

なぜなら、いずれもインデックス投資であり、
資産の分散が為され、
運用の方向性は似通っているためです。



ここからは、
あえて『細かいところ』を強調していきましょう。

世界経済インデックスファンドで気になるのは、
トータルリターンと
インベスター(投資家)リターンの違いでしょう。





画像元:モーニングスター


設定来(11年)、直近10年で見ると、
世界経済イ・ファンドそのもののリターンに比べ、
インベスター(投資家)リターンが劣後しています。

これは運用開始から長い年月が流れ、

ファンド価格が低いときにファンドを売却してしまったり、
ファンド価格が高いときに購入し、その後下がって売却してしまったりしたファンド保有者が『一定割合いる』ことを示します。



この「トータルリターン」と「インベスターリターン」の比較こそ、
ファンド保有者のクオリティ(質)を示すのです。

※ バランスファンド内で圧倒的にファンド保有者の質が高いのは、
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドでしょう。
(設定来で、インベスター(投資家)リターンがトータルリターンを上回っていますから)



次に、世界経済イ・ファンドの『資金流入』を見ると、
19年は4ヵ月、資金流出の月がありましたが、
2020年はコロナ渦にも関わらず、順調に「純資金流入」が続いています。



画像元:SBI証券


また、世界経済イ・ファンドそのものの
純資産額は現在700億円台ですが、
同じマザーファンドのDC世界経済インデックスファンド(中身まったく同じ)は、純資産額が900億円を超えます。

母体のマザーファンド群も純資産額が極めて大きいため、
この先10年、20年と『安定運用』が期待できる点が世界経済イ・ファンドの強みでしょう。
(目立たなくなっているだけで良いファンドなのであります・・)

 


さて、時任さんがもし、ファンドの乗り換えを行うとしたら、
同じような「リスク・リターン」の特性を持つ
「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」が挙げられます。



こちらは(正直)純資産額のところがビミョーな感じです。

「均等型」10億円程度、
「株式重視型」57億円程度、
「債券重視型」15億円程度となっています(10月30日現在)

ただし、上記3つのタイプとも
「つみたてNISA」(金融庁所轄)に採用されているため、

運用会社(楽天投信投資顧問)が、
純資産の伸び悩みを理由に繰上げ償還させるのは(政治力学上)考えにくいでしょう。


また「均等型」は下図を見ると、派手さはありませんが、

19年はおおよそ月2千万円ベース、
2020年に入ってからは月4千万円ベースほどで「純資金流入」が続いています(運用開始は18年7月)




画像元:SBI証券


(これは別の視点ですが、
楽天・インデックス・バランス・ファンドが実際の投資先としている、
バンガードの全世界株式ETF、バンガードのグローバル債券インデックスファンドともに、純資産額は潤沢にあります。)


さて、ここからがわたしの意見です。

時任さんが、
「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」の安定存続性において、
若干の危惧があることをご承知おきいただけるなら、

「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」に乗り換えるのはアリだと思います。


ご存じの通り、ふたつのファンドには現状
運用管理費用の差がおよそ 年「0.3%」存在します。

 

加えて、世界経済イ・ファンドの運用管理費用の引き下げは期待できそうにありません。

それに対して楽天・イ・バランス・ファンドでは、
投資先のバンガード全世界株式ETF(VT)の年間経費率の継続的な引き下げが期待できます。
(ほんとうにごくわずかな数字ですが)。



 

ただし、乗り換えには【条件】があります。

物差しは「ふたつ」ありまして、
〇 ひとつは時任さんが支払う税金の大きさ(マイナス要素)
〇 ふたつ目は 運用管理費用の差による(プラスの要素)です。



(もしも)世界経済イ・ファンドを売ったら『利益』はどの程度でしょうか?
そこから20.315%の課税があります。
【これがマイナスの数字】

ふたつ目は、
仮に楽天・インデックス・バランス(均等型)に乗り換えたとして
『運用資産額』はどのくらいになりますか?

その運用資産額 × 0.3%(2つのファンドの『コスト差』)
× 今後の運用予定年数 が【プラスの要素の数字】となります。


もし【マイナスの数字】に比べ
【プラスの数字】のほうが大きいなら、
世界経済イ・ファンドから、楽天・インデックス・バランス(均等型)に乗り換えるのはアリだと思います。


(否なら、そのまま世界経済イ・ファンドを持ち続けましょう。)


繰り返しになりますが、
どちらも株式50、債券50で高度な分散を施しており、
大きくリターンが違ってくることはないでしょう・・。

おまけ)

今年7月に三井住友トラストアセットマネジメントは
世界経済インデックスファンド 資産運用の基本とファンドの運用状況」と題したレポート出していますよ。

時任さん、このたびはご質問ありがとうございました!


カテゴリ:バランスファンド

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