つみたて投資

つみたて投資の『第2ステージ』とは?

2020年11月16日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

ひと口に「つみたて投資」といっても、
それを長く続けるのはなかなかにタイヘンなこと。

長いつみたての途上では、
マーケットの上がり下がりだけでなく、
私たち運用者側のモチベーションのアップダウンもあります。

また、ご家族の事情、お仕事などによって
経済的に苦しい状況に立たされることがあるかもしれません。

人生と同じように
「つみたて投資」にも山あり谷あり、なのです。


最初は半信半疑だったあなたが、
3年、5年・・
7年、8年・・と、

月日を重ねるごとに、
どっしり腰を据えた投資家になっていくさまは、
『成長』以外の何ものでもありません。


特に「つみたて投資」では、

投資元本が積み上がっていく様子と、
あなたが投資家として成長していくさまが、
まるでシンクロするように見て取れたりするものです。


今ここに、
吉村さん(仮名)という『お客様』がおられるとしましょう。



吉村さんはすでに『10年間』
つみたて投資を続けています。

毎月5万円、そしてボーナス時には夏と冬、
それぞれ10万円の積立を行っています。

また、運用当初、
まとまったお金 800万円からも「拡大つみたて」を実施しました。

吉村さんの10年間の『投資元本』は、
ナント1600万円 にもなります。



この10年を振り返ると、
ほんとうにいろいろなことがありましたが、

運用そのものは概ね順調で、
吉村さんの運用資産残高は現在、2690万円にまで増えています!

けっこう大きなご資産です。


しかし今、吉村さんは
人には言いにくい『悩み』を抱えています。  


コロナショックによって株式市場が暴落し、
今年3月にはわずか1ヵ月間で
吉村さんの運用資産は500万円以上『減ってしまった』のです。

(※11月現在、そのマイナスはほぼ解消されています・・)


(一時的であるにせよ、)
500万円強のマイナス!

この事実を目の当たりにした吉村さんはわたしに、
「不覚にも目の前が霞んでクラクラしてしまいました」と語ってくださいました。


この数年で「つみたて投資」を始めた人にはまだ分かりにくいかもしれませんが、

つみたてを続ける中で
資産が2000万円、3000万円と積み上がると、

投資を始めた頃の最初の『気持ち』とは微妙に異なる、
『心のざわめき』みたいなものが起こったりします。

 



 

吉村さんは現在、
自身の中で史上最大の「運用資産額」を抱えており、

たった10%のマイナスでも「-269万円」という記号が
ネット証券の資産管理画面に
『数字』として映し出されてしまうわけです。


吉村さんは
今年3月のような「暴落」がもう起こらないことを祈っています。

しかし、
マーケットの動向は誰にも予測し切れるものではありません。

もし、半年後、2年後、いや6年後に、
3月のような「暴落」が起こってしまうと・・?

吉村さんの『マイナス金額』は今回より大きくなってしまうのです。

なぜなら、
つみたて投資によって、
より多くの「運用資産」が積み上がっているためです。

 


これこそ、
つみたて投資家が抱えるジレンマです。





当クリニックでは
つみたて投資のステージを大きく「3つ」に分けています。

【つみたて投資☆3つのステージ】

「第1ステージ」 ⇒


シンプルに、毎月定額で
投資信託を買っていくことに専念できる時期。

運用資産残高は
おおむね数百万円までのイメージです。

「第2ステージ」 ⇒


つみたては続けているが、
これまで積み上がった
『資産の大きさ』も意識するようになる時期です。

(運用資産が1,000万円超になっている)

毎月積み立てる行為より、
これまで積み上がった『運用資産』の増減を、どうしても気にしてしまうようになります。

※「第3ステージ」については次回お話し致します。


あなたもお気づきのように、
吉村さんはすでにつみたて投資『第2ステージ』に入っています。

 

第2ステージの『特徴』は、
わたしは積立てをしてるんだという意識とともに、
わたしはまとまった資金を運用しているという「気持ち」が強く宿ってくることです。

 


 

吉村さんは今回
コロナショックによる、自身の『気持ちの揺れ』に(正直)驚いておられました。

なぜなら、
『第1ステージ』に居るときは、
マーケットの変動がそれほど気にならなかったからです。


仮の話ですが、
『第1ステージ』、吉村さんの運用資産が200万円のとき、

コロナショックを上回る暴落があって、
自身の投資信託が「マイナス35%」になってしまったとしましょう。

それでも、
損失の大きさは
70万円』で済んでいたわけです。



運用資産が大きくなればなるほど、
同じマイナスの割合(%)でも
実際の『金額ベース』は大きくなってしまいます。

 

あれ?


でも、そもそも、
「運用資産額」が大きくなるのは良いことで、

私たちは運用資産を大きくするために、
(わざわざ)リスクを取って「つみたて投資」をしているわけですよね?


⇒ 資産運用を続けていれば、
誰しもいつかは、
つみたて「第2ステージ」に到達します。


そして、
毎月定額で積み立てる行為より、
それまで積み上がった『運用資産』の増減を気にしてしまうのは自然な現象なのです。


2019年など、自身の運用資産が順調に増えすぎて、
その年の資産の増加額が「400万円」を超えるような数字を見たお客様が、

(しかも実際に大きく増えたのは ものの1、2ヶ月の間のこと!)
「これはなにかおかしいのではないか?」とメールを送っていただいたことがあります。


しかし、これもぜんぜんおかしなことではありません。

『第2ステージ』に入れば
文字通り「数百万円単位」で、
資産額が増えたり減ったりということはふつうに起こります。

 

わたしなら、吉村さんに次のようにアドバイスしますよ。
続きは次回に・・(^^)

カテゴリ:つみたて投資

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