カンさん。国内ETFってどうなんですか?何か落とし穴はありますか?【あなたの疑問に答えます!】
2020年10月26日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
当クリニックのお客様から頂戴した
さまざまな『質問』にお答えしていくウィークです(^^)
その名もズバリ、
『あなたの疑問に答えます!』
第2回!
末次さん(仮名)・北海道
投資歴3年です。
すでにイデコや積立NISAは満額買い付け済みです。
最近、国内ETF(買っているのは全世界)に興味を持ち始めています。
ETFの買い付けはそれほど煩わしくもなく、
(投資信託より)こちらの方が性に合っているのではないかと感じています。
でも、国内ETF情報はとても少ない気が・・。
海外ETFと違い、国内上場のETFなら
私のようなどんくさい人間でも
手軽にできるのではないかと思うのですが、
簡単なのに情報が少ないということは、
何か落とし穴的なものがあるんでしょうか?
落とし穴はございません。
国内上場のETFでポートフォリオを組成し、運用を続けることは難なく出来ますよ。
ただし・・
国内上場のETF群をひとつの『市場』として捉えた場合、
そこにはいびつなところがあります。
人気のあるETF、
つまり、1日あたりの売買高や売買代金の上位ETFが、ほぼ『レバレッジ・インバース型ETF』になっている点。
「国内ETF・売買代金ランキング」(10月23日現在)
画像元:ETF株マップ.com
日々盛んに取引されているのは
ほとんどレバレッジ・インバース型ETFです!
なんと「6銘柄」が、
日経平均株価の1日あたりの変動率の
2倍の値動きを目指すETF(レバレッジ)と、
逆に、マイナス2倍の値動きを目指すETF(ダブルインバース)に偏っています。
末次さん・・これで何となく、
国内ETFという市場の
『賭場(ギャンブル場)感』が伝わりますでしょうか?
国内上場のETFは200本を超えており、
その中には
海外の株式や、海外の債券に投資を行うものも多数存在します。
しかしながら、
『純資産総額』(ETFの大きさ)というフィルターで見た場合、
そのほとんどは、
国内株式、国内REITのETFに偏っています。
(海外株式や、海外債券のETFの存在感が圧倒的に少ない!)
以下、国内ETFの純資産額ランキング
「トップ18」として引用します。
(2020年9月末現在)
画像元:myINDEX
インデックスファンド ランキング(国内ETF)
上記ランキングの詳細は
myINDEX「インデックスファンド(国内ETF)」で
チェックしていただきたいのですが、
国内株式、
国内REITのETFが続いたあとに、
ようやく純資産額28位に「原油ETF」が登場・・。
その後、40位になってはじめて、
上場インデックスファンド海外債券(1677)が。
純資産額 320億円です。
(1677は「FTSE世界国債インデックス」との連動を目指すETFであり、オーソドックスな投資対象(アセットクラス)のひとつです。)
41位には、ナスダック100ETF。
(なんと云うか「旬」ですね)
純資産額 300億円です。
そして、国・地域の分散を施したスタンダードな「先進国株式ETF」が登場するのはやっと63位になってから。
上場インデックスファンド 海外先進国株式(1680)です。
純資産額は・・150億円。
仮に「先進国株式」というカテゴリで
末次さんがインデックスファンドを選択されれば、
〇 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
純資産額 約2000億円
〇 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
純資産額 1299億円
などのインデックスファンドがチョイス出来ますよ。
ファンド(ETF)を選ぶ場合、
『純資産額』が大きいことはたいへん重要で、
純資産額が大きい商品のほうが、
『長く存続してくれる可能性』が高くなるためです。
この安心感は
長期投資家にとっては、何ものにも代えがたいのではないでしょうか。
ETFとインデックスファンドを比べた場合、
その人の特性や嗜好によって
「ETF」を選んだほうが投資が長続きしやすい人もおられます。
その際は『存続可能性』『流動性の高さ』をシビアに捉え、
国内ETFより米国上場のETFを選ばれたほうが良いとわたしは思います。
末次さん、このたびはご質問、ありがとうございました!
カテゴリ:インデックス投資全般