NISA活用法, バランスファンド, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)
どうして、iDeCo、つみたてNISA、特定口座にまたがる運用でバランスファンドをお勧めするのか?
2020年9月27日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
たとえば、
こんな投資の『はじまり』っていかがですか?
あなたはいろいろ考え、
以下のようなポートフォリオ(資産配分)でやっていくことにしました。
先進国株式 50%
先進国債券 25%
シンプルです。
もちろん、
『税制優遇』のあるiDeCoもつみたてNISAも利用したいと思っています。
今は独身なので
毎月8万円程度なら
無理なくつみたて投資に回せそうです。
(ということは?)
合わせて特定口座からも
つみたて投資をすることになりそう・・。
大まかですがあなたは
以下『3つの窓口』でそれぞれ、
つみたてNISA 3万円
特定口座 3万円 のように積み立てていくことに決めました。
そう、
「3つ」の窓口を合わせて
「ひとつの」ポートフォリオを作りたいのです。
これなら簡単そう・・。
それぞれの投資対象(ポートフォリオ)に
月8万円の「つみたて金額」を当てはめると、
国内株式 25% (2万円)
先進国株式 50%(4万円)
先進国債券 25%(2万円)
となります。
いろいろ考えてあなたは、
つみたてNISAでは「先進国株式」(3万円)を、
「先進国株式」(1万円)プラス「先進国債券」(2万円)を積み立てることにしました。
ハイ、お気持ち分かります。
たしかに「3つ」の窓口で
「ひとつの」ポートフォリオを作ることは可能でしょう。
資産配分のズレの調整 =『リ・バランス』も
やってやれないことはありません。
しかし、です。
仮に仕事やプライベートで変化が発生して、
『積み立てられる金額』が減ってしまったら?
「5万円」に減ってしまったらどうでしょう?
現状は、
つみたてNISA 3万円
特定口座 3万円
となっていますが、
もし『5万円』に減らさないといけなくなったら?
同じつみたて額を残しておきたいと願うのが人情ではないでしょうか?
すると、
iDeCo 2万円(国内株式)
つみたてNISA 3万円(先進国株式)
という積み立てになります。
でも、
あなたが目指すポートフォリオは
先進国株式 50%
先進国債券 25%
でしたね。
したがって自然、iDeCoのほうで、
毎月の掛金で先進国債券も買ったり、
あるいは、
積み上がった国内株式を一部売って、
先進国債券を買い付けるなどして、
少しでも『ほんらいのポートフォリオ』に寄せていく必要があります。
つみたてNISAでは、そもそも債券ファンドの選択肢がありません。
その分非課税枠を使ったと見なされます。
また、ファンドを売ったお金で
任意に別のファンドを買い付けることも出来ません。
実はiDeCo、つみたてNISAふたつの窓口のみで、資産配分を維持していくのはなかなかタイヘンなことなのです。
「ひとつのポートフォリオ」を作る戦略は、
さて、ここで深呼吸してみましょう。
仮の、大胆な発想転換です。
もし、
つみたてNISA 3万円 → ABCバランスファンド
特定口座 3万円 → ABCバランスファンド
というふうに、
3つの窓口すべてで
『バランスファンド』のみを積み立てていればどうでしょう?
これだと、たとえ「窓口」が2つに減っても、
つみたて金額を減額せざるを得なくなっても、
また、それぞれの窓口内で
微妙に「つみたて金額」が上下したとしても、
あなたの『ポートフォリオ』に影響を及ぼすことは一切ありません。
なぜなら?
3つの窓口すべてで「同じ運用の型(かた)」を保有しているためです。
リ・バランスはどうでしょう?
(もちろん「リ・バランス」も必要ありません。)
これが、
資産運用メンテナンスにおける、バランスファンドの効用なのです。
あなたが投資を始めてあっという間に20年が経ちました。
あなたの資産はナント2800万円まで育っています!
あなたは自身のポートフォリオ
先進国株式 50%
先進国債券 25%
をずっと守ってきて、
また8万円の「つみたて金額」もなんとか死守して、
3つの窓口の、資産額を見ると、
つみたてNISA 先進国株式(1050万円)
特定口座 先進国株式(350万円)プラス先進国債券(700万円)
というふうに、資産が積み上がっているのです。
スゴイですね!
ところが、51歳を迎えたあなたは、
家庭内のことでどうしても運用資産から
「500万円」のお金を引き出す必要に迫られます。
<さて、どこからお金を引き出しますか?>
iDeCoは、60歳になるまで引き出しは出来ません。
特定口座内のファンドを解約すると、
利益に対して課税されます。
お気持ち的には
お金を引き出したくなるのではないでしょうか?
もちろん、ココは人生の難所ですから、
正々堂々と500万円分ファンドを解約してください。
すると・・
iDeCo 国内株式(700万円)
つみたてNISA 先進国株式(550万円)
特定口座 先進国株式(350万円)プラス先進国債券(700万円)
というふうになり、
ずっと維持してきたポートフォリオ、
先進国株式 50%
先進国債券 25%
から、
大きくかい離することになってしまいます。
そうです、実は
「ひとつのポートフォリオ」を維持する戦略は、
途中で、
一部の「窓口」から
部分的にファンドを解約することなど起きずに、
はじめて成り立つ戦略なのです。
ここで、またまた大胆な発想転換です。
仮にこのケースでも、
3つの窓口すべてで『バランスファンド』を保有していれば、
まったく違った景色が見えてきます。
つみたてNISA) ABCバランスファンド(1050万円)
特定口座) ABCバランスファンド (1050万円)
となりますね。
すごくシンプルです。)
仮につみたてNISAから、
500万円だけお金を引き出しても、
あなた自身の「ポートフォリオ」は微塵も変わりません・・。
3つの窓口すべてで「同じ運用の型(かた)」を保有しているためです。
リ・バランスは?
(もちろん「リ・バランス」も必要ありません。)
これも、資産運用メンテナンスにおける、バランスファンドの効用なのです。
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