投資家の感情リスク

投資は2度目の出会いが大切!

2020年9月24日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

誰でも出会った当初は、
ちょっと舞い上がるような感覚になるものです。

プチ感動、といってもよいでしょう。
こんな世界があったんだ!」という驚きです。


その分野(投資)において、
あなたはまだ手垢が付いていません。


ですので、見るモノ聞くコトすべてが「新鮮」なわけです。



しかし、
ちょっと乾いた視点で見てみると、

最初の出会いは(良くも悪くも)
『過剰反応』を起こす恐れがあります。

 

1.わたしはこれを
初期的・恍惚感』と呼んでいます。

 



投資を始めたばかりの頃は、
こう、気持ちが『前のめり』になりやすい。

具体的には、
もっとお金を入れたくなる・・

(できれば)いっぺんに入れたくなるのです。

 

 



 

 

一例ですが、株式市場(平均値)への長期投資はこれまで、理論的にはプラスを達成してきたわけですから、

 

なるだけたくさんのお金を、
できるだけ早く入れないと、
機会損失』になってしまう・・とあなたは焦るわけです。




また、金融商品の選択においても、
リターンばかりに目が行きがちになり、
収益が低い債券などを組み入れることに消極的になり、

「株式」などリターンが高いモノに投資することこそ正解だ、と思い込んでしまいます。


上記「考え方として間違いだ」ということでは決してありません。
ただ、何かが置き去りになっていませんか?

 

 

そう、
あなたの、リスク(価格変動の振れ幅)に対する感情(気持ち)』ですね。

 

 

 



 

1.「初期的・恍惚感」に続いて、
顕著に起こる現象が、

2.『初期的・混乱』です。

投資と出会った、
ほんの初期の頃に購入した金融商品が、

自分が当初抱いていた印象ほど
(実は)すばらしいモノではなかった・・



これが分かったとたん、
けっこうな『落胆』に苛まれてしまうのです。

 

もちろん最初の出会いには、
さまざまなパターンがあると思います。

(ここでは「他者に勧められ・・」というケースを挙げてみましょう)

 

 

〇 知人に勧められて、毎月分配金が出る投信を買った

〇 金融機関に勧められ、利回りが高い外国債券を買った

〇 友人と一緒に行ったセミナーで勧められ、
スリランカの不動産を買った

 


いわば「勢いで」買ってしまっているわけです。

 


どうしてそういうことが起こるかというと、

投資と出会ったばかりの頃は
あなたが持っている「知識量」はきわめて限られています。


その、小さなスペースに、
特定の金融商品に関する『情報』がどんどん入ってくると、なにぶん
免疫がないわけですから、



ひとつひとつの『情報』が
まるで濃縮オレンジジュースのように
『濃く』『新鮮に』体内に入ってしまい、

それら『情報』がいかにも正しく、
力強く、ときに美しくさえ思えてきて、
あなたは一種の「恍惚状態」に置かれてしまうわけです。

 

 




 

しかしその後、最初の出会いが
自分が本当に望んでいるものではなかったと悟り、

ボタンの掛け違いで相応のお金をつぎ込んでしまったあとで、「取り返しのつかないミスを犯してしまった!」と思い込み、

二度と『投資の現場』に戻って来ない人もいます。



恍惚から、混乱へ・・。

 

ただ、
もちろん、
投資にも『2度目の出会い』というものがあります・・。

 

 

 


 

 

最初は、恍惚に包まれ、
のちに混乱をきたした場合でも、

その過剰な反応(気持ち)を少しずつ落ち着かせ、投資とほどよい距離を保ち、心穏やかな状態になることは(もちろん)可能です。

ココ、よーく考えてみましょう。


○『そもそも、1度目の出会いで、
すべてうまく行くことなんて、稀(まれ)なこと』ではないでしょうか?

 

 

 

○『時間』が経てば、
あなたの知識量も増え、金融商品に対する見方も変わり、あなた自身が「成長」できるのです。

 


実は、
当クリニックの相談者さまで、

比率として意外に多いのは、

 

1度目の出会いが終わって、
2度目の出会いに立ち向かおうとする途上のお客様です。

 

 

 

 


自分の認識不足に
焦り、腹立ち、呆れかえってしまったり、
市場のわがまま振りに翻弄され落胆されたり・・。

でも、そんなこんなの不甲斐なさは
投資という行いに慣れるまでに、誰もが経験することなのです。← ホントです

 


わたしは仕事柄、
投資と『2度目の出会い』を果たされた人をたくさん知っています。

(そして)本当は、
そこから投資との付き合いは始まるのです。

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