つみたて投資で慌てないために、トム・クルーズの『ミッション・インポッシブル』を観ておきましょう
2020年8月31日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
ちょっと「そわそわ」していませんか?
この2年内でつみたて投資を始めたあなたは、
順調な相場ののち、いきなり『コロナ禍』に見舞われました。
下がる、とは聞いていたけれど、
こんなに短期間に・こんなに急激に下がるなんて・・。
と思っていたら、
4月から8月にかけて、
あれよあれよという間に市場は上がり続け、
いずれ回復するとは聞いていたけれど、
こんなに急激に上がるなんて・・。
はぁ~、勘弁してくれよ~。
なんと言いますか、
どちらも『想定外』ですよね。
わたしが投資を始めた当初もそうでした。
自分が投資信託を買い始めたとたん、
見事に価格が下がり始めたのです。
「そんな・・これってあんまりだよ!」
という理不尽さを当時感じていました。
これも想定外です。
あるいは
「出鼻をくじかれる」という言い方をしますが、
「けっこう下がったから、つみたて投資始めてみるか」と興味を持ったあなたが、
「でも、もっと下がるかも・・」という色気を出したばかりに、
4月、5月と急激に回復するマーケットを横目で見ながら、逆につみたてを始めるタイミングを逸してしまった。
果たして今からつみたて投資を始めたものかどうか・・。
これも、ある種の想定外です。
人間は直近の出来事にどうしても過剰反応しますから、
いきなり想定外のことに遭うと、もう取り乱してしまうわけです。
そんなときは、心の中でこう呟いてみてください。
映画でいえば、まだ開始10分くらいでしょ。」
映画?
はい、そうです。
あなたは『老後の生活で経済的な余裕を生み出すため』に、長く投資を続けるつもりなのでしょう?
でも今は、
映画でいえば、
まだ始まって10分くらいです。
トム・クルーズの
『ミッション・インポッシブル』を思い出してみてください。
あの映画って開始早々、
トムが刑務所に入れられたり、仲間が殺されたり、
トムが飛行機に飛び乗って落ちそうになったりします。
もう、しょっぱなから『アップダウン』の連続です!
でも、映画が始まって10分くらいで
トムが死ぬことはありません。
<まだ110分も時間が残っていますから!>
あなたの『投資』も同じではないでしょうか?
つみたて投資を始めた最初の1、2年で
はじめ調子が良かったけれど、そのあと悪くなったり、
あるいは、最初から調子がすごく悪くて、
あとで調子が良くなったりというのは、
資産運用という行為の中で、
あらかじめ書き込まれている「シナリオ」なのです。
考えてみてください。
120分の映画で云えば、
「最初の10分」は(全体の)たった8.3%です。
マラソンでいえば、まだ3.5キロあたりに過ぎません・・。
(最初の給水所にも達していません!)
<つみたて道中 42.195キロ!>
またミッション・インポッシブルの映画では、
だいたい70%を消化したあたりで、
トムと(その仲間に)【危機】が訪れます。
あなたの投資でも、
いきなりか、
半分あたりか、
70%より手前か、
「いつ」かは分かりませんが、
必ず数回の【危機】(=暴落)があるでしょう・・。
正直に申し上げて、
「暴落に遭うかもしれないので、
つみたて投資を躊躇しています・・」という人は、
投資はやらないほうがよいと思います。
なぜなら、
長いつみたて投資人生で
単に『いつ』出遭うのかという事象に過ぎないためです。
長い投資というのは「そういうもの」。
(それに「暴落」が来てくれないと、つみたて投資のうまみも半減してしまいますし。)
ただし、必ずハッピーエンドで終わる
『ミッション・インポッシブル』と違って、
あなたのつみたて投資は
「最後の」終わり方が重要です。
たとえば62歳くらいで、
「つみたて」そのものは終える想定だったのに、
市場が大きく下げてしまい、
すぐには投資信託を引き出せず、
しばらくファンドを持ち続けることになってしまった。
そのため予定より数年長く働くことに・・、
という可能性はゼロではないわけです。
つみたて投資は「人生の縮図」です。
想定外のことも、楽しめるか否かで充実度が違ってくるのです。
カテゴリ:つみたて投資