アドバイザーにとって最大のスキルは「傾聴力」です(どうして口はひとつで耳はふたつあるのか?)
2020年8月13日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
まずは口に手を当ててみてください。
口は「ひとつ」です。
次に耳に手を当ててみてください。
耳は?
「ふたつ」あります。
なぜですか?
聞くことのほうが(耳)大切だからです。
わたしのような仕事をしている者にとって
上記ほど大切な教訓は存在しません。
たとえば、
あなたがお金のことについて
誰かに・何かしら『相談』をしたいときに、
口を動かすことに忙しいようであれば、
その人は「アドバイス」ではなく、
自分の考えを「伝えよう」としているだけなのかもしれません。
わたしの拙い経験で申しますと、
相談者さまは
『客観性』を求めてカウンセリングの場に来られます。
人はたくさん情報を詰め込むほど、
各々の情報の「立ち位置」「優先順位」が見えにくくなってしまうのです。
その「整理整頓」を、どこかで望んでおられるわけです。
また『相談の場』というのは
えてしてお気持ちが高揚しがちになるもの。←たとえオンラインでも。
投資を躊躇されている方は、
そのお気持ちを実態より強く示してしまいがち。
また、逆に投資に意欲満々の方は、
そのお気持ちが実態よりも全面に出てしまうものです。
「感情移入」によって
少し見えにくくなった身辺情報の整理、
また貴方のお気持ちの整理を行って、
「本当はこうではないですか?」と
あなたのお気持ちの底の姿を、客観化して・見せて差し上げることです。
アドバイザーの仕事に
(もし)意味があるとしたら、
その80%以上は「鏡としての役割」でしょう。
鏡(かがみ)?
そうです。
鏡は、
自らしゃべったりはしません。
あなたに「気付き」をもたらす存在なのです。
コンサルティングと称する相談の中で
もし目の前のFP(ファイナンシャルプランナー)が
口を動かすことに忙しいようであれば、
その人は「あなたの鏡」ではなく
ある特定の意思を持った「説得者」に過ぎないのかもしれません。
お客様の声に耳を傾ける力 = 傾聴力 だと思います。
相談者さまの声を深く受け止め、
その「言わんとする内容」を咀嚼できないと、
「本当はこうではないですか?」という、
あなたの真の気持ちを想像した『質問』もできないでしょう。
自分で言うのはちょっと恥ずかしいのですが、
理想とするカウンセリング(90分)の姿が、
わたしの根底にはあります。
ひとつの「口(くち)」は、
わたしがしゃべるためではなく、
お客様に質問するために用います。
そしてふたつの「耳(みみ)」は
お客様の声を深く聞くために使い、
積み上がるお客様の声の集積の中から、
お悩みの『センターピン』を見つけ出す・・。
もちろんまだまだ上記には至れていませんが、
できるだけ「聞く8割、しゃべる2割」に近づけていきたいと願っています。
カテゴリ:わたしのFP修行