世界投資的紀行

『長期投資』は一生に1度しか経験できません

2020年8月11日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

投資の、何が難しいかというと、

まだ定まっていないこと(未来)に対して、
(今)あなたのお金とエネルギーを
注ぐ必要がある点です。

 

この「タイムラグ」が長ければ長いほど、不確実性は増しますが、同時に潜在的リターンも大きくなります。

 


上記は暮らしの中で例えるなら、

 

今ドライヤーを購入して、
スイッチを入れて、

15年とか20年後にようやく熱風が吹いてきて、
「ああ、ようやくドライヤーの効き目を実感した!」

と呟くようなものです(笑)
それが投資の本質。

 

 

 





投資という行いでは、
資産が増えるという状況は
すぐには訪れないわけですから、

お客様にお話を伺っても、

 

【長期投資で本当に成果が出るのでしょうか?】
【長く投資を続けても報われない可能性があるのでは?】

 

といった不安の声をしばしば耳にします。

 



ちょっと意地悪な言い方をすると、

30歳の人が60年間投資を続けて、
この世からサヨナラするとき(90歳)に、



「ああ、60年間投資を続けて良かった」と思うか、
「ああ、60年間投資を続けたけれど、お金は大して増えなかったよ」と思うかは、

実際60年間投資を続けてみないと・分からないわけです。

 

 

けっこう酷な作業・・(-_-;)




人の寿命にもよりますが、

ふつうの人なら
30年の『長期投資』を
2回できれば御の字ではないでしょうか。

仮に40年近く投資を続けてきて
万一『ダメ』そうだと分かったら、
その落胆の大きさはいかほどのものでしょう・・。

 

 

「じゃあカンさんは、
なんで長期投資なんて続けているの?」


人間を信じているからです。

 

 

 

えっ!?
あの・・どこかの宗教か何かですか?



いえいえ。

 

 



 

より正確にいうなら、
『人間の本性は変わらない』と信じています。

 

 

ココ、ちょっと肩の力を抜いて考えてみませんか?

 

まず、長期投資には『実績』があります。



過去400年、
株式会社というシステムを前提とした資本主義は、ヒトの欲や好奇心をうまく利用して、資本を増幅し、

会社は商品・サービスを充実させ、
また資本を増幅させるという「好循環」を続けてきました。



ヒトの健全な欲や好奇心は、
信じている神や価値観や文化の違いを超えて、世界中でかなり「普遍的」です。

 

(そして、そのヒトの【健全な欲】に
リスクマネーを託し続けることが長期投資なのです。)

 

 

『健全な欲』って?

 

 

・モノやコトを購買したい、所有したいという欲求。
・より便利なモノを生み出したいという、イノベーションへの欲求。

・この人すごいね!と皆から認められたい欲求。
・より豊かな暮らしを手に入れたいという欲求。

 

 

 

・今生きている時代とシンクロしていると実感したい欲求。
・善いことを行いたいという欲求。

・より良い社会にしたいなあという欲求。
・死ぬまでに何かを遺したいという欲求。




もちろん、
人の欲や好奇心はときに空回りして
経済的に大きな不況に陥ったりもします。



しかしその「停滞」も
また次のイノベーションの「養分」として、貪欲に利用してきたのがヒトの歴史なのです。

 

そんな人の性(さが)がこの先、そう簡単に変わると思いますか?

 

 

 

 

 


これからまだまだ世界の人口は増え続けます。

中でも、
世界中で『中産階級』(ミドルクラス)の
人口が増え続けることが重要です。



(彼ら/彼女らが、これからどんな『消費行動』を取るかは、あなたがよくご存じのはずです・・)

経済の規模とはざっくり申し上げて、
『人の数』×『一人あたりの生産性』ですから、

マクロで見た場合の、
世界経済の今後はとても明るいとわたしは考えています。


 

長期投資とは、
たとえるなら

「これから30年、40年と世界経済は発展を続ける」という目に賭けた、壮大なゲームなのです。

 


ただし、これって(別に)
今世紀のことだけを言っているのではありません。

 

 

 



 

たとえば、です。


あなたもわたしももう死んでいますが、
2093年の夏にも、

どこかの国で、誰かが、
「長期投資って、ホントの所どうなんだろう?」と悩んでいたりするわけです。


その青年が投資対象として意識しているのは、
もしかすると、

火星進出によって恩恵を受ける
地球企業の株式ファンドかもしれません。

 

「22世紀になって、人間ってホントに大丈夫なのかよ?」
「人間の欲はまだまだあんの?」と、


その青年は自問自答しているのかもしれませんよ、私たちと同じように・・。

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