投資の「おさらい講座」 その2)
2020年8月8日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
投資と書いて、実は「備え」と読みます。
備えるという言葉は、
わたしのような
内気で心配性な人間にはとても親和性が高いです。
ひと言でいうと「好き」です(^^)
最悪の事態を想定し、
それでも大丈夫なよう「前もって準備」をしておくことで、
気持ちが落ち着いて夜もぐっすり眠れる・・
これが「備え」の本質です。
(ところで、)私たちはなぜ
「分散投資」を実践する必要があるのでしょうか?
「分散」とは?
前もって分けて散らしておくこと・・。
分散を施すことで、
最悪の事態の
最悪の度合いを、軽減してくれる効果があります。
「分散」という発想は
最良・・(プラスがすごく大きい)を求めるより、
最悪・・(マイナスがすごく大きい)を避けることに重きを置く戦略なのです。
心配性な貴方にピッタリ。
この考え方はスポーツにも応用できます。
サッカーでも野球でもバスケでも、
「点を多く取ったほうが勝ち」と解されます。
それはそれで正しいのですが、
逆の面から見れば、
それ以上に(相手に)点を取られたら、試合は負けてしまうわけです。
たとえばドイツのサッカーなどは伝統的に
「守り(ディフェンス)」を重視します。
できるだけ点を取られないよう『守り』つつ、
『攻め』もしっかり行う。
まさに分散投資のエッセンスです!
(ところで、)
普段はわりと大人しくて慎重派の人が
こと投資となると、
ディフェンス(守り)を忘れて、
ひたすら攻めてしまう (=リスクを取る)姿を散見します。
なんと云いますか、
素の姿をさらけ出しているよう・・。
ギラギラしたヒトの本能に従うなら、
今、目の前を通り過ぎるマンモスの群れの中から、
もっとも捕獲できそうな「一頭」を、
すぐに・選び切らなければなりません。
そして果敢に行動するのです。)
この、
『選び切る』を何万年も実践してきたからこそ、
ヒトは繁栄の道を歩むことができたわけです。
あれ?
ということは、
「分けて散らして・じっと持っておく」(分散投資)って、
まさに正反対の行いなのですね。
やっぱり、分散投資は「オトナのたしなみ」なのです。
かつてこんな相談者さまがおられました。
「カンさん。アメリカのウェルズファーゴっていう銀行あるでしょ。
あそこの社債(米ドル建て)が7年満期で3.1%の利息が付くのよ。
それにワタシ任天堂の株式持ってるでしょ。
それでもって大田区の羽田の一棟アパートも所有しているし。」
フム、なるほど。「資産の分散」ですね。
でも、債券、株式、不動産いずれも、
先ほどのマンモスの例で云えば、
『たったひとつを』『選び切って』います。
もちろん、このような投資スタイルのほうが
面白いですし、アドレナリンも上がりますし、
すべてが上手くいったときには、
期待できるリターンもそれだけ大きくなるわけで・・。
「すべてが、上手くいくってそうそうないよね。」
先ほどの例でいうと、
債券も株式も不動産も、
ほんとうは『大きな透明なフクロ』を用意してもらい、
その中に何十、何百もの、
債券、株式、不動産をフクロ詰めにしてもらえば、
おまけに、
その「大きな透明なフクロ」の持ち分を
細かーく刻んで、
ひと口数千円とか数万円くらいで売り買いできるようにすれば、
リターンの大きさは小さくなりますが、
しっかり守りながら(=リスクを抑えながら)
投資を続けることができます。
前述の「大きな透明なフクロ」のことを
世の中では【投資信託】と呼んでいます。
わたしは日頃、アクティブファンドとか
インデックスファンドとか、
いろいろ比較して言っていますが、
広く投資信託という意味では
どちらも同じ「大きな透明なフクロ」なのです。
たったひとつを選び切ってしまうのか、
それとも「大きな透明なフクロ」に
たくさんの銘柄を詰め込んでよしとするのか・・?
ここは↑2ヶ月くらい悩む価値がある命題だと思いますよ。
カテゴリ:投資の発想法