投資の発想法

投資の「おさらい講座」 その1)

2020年8月7日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

投資と書いて、実は「備え」と読みます。

もちろん、
投資と書いて「勝負」と読む人もいるでしょう。

最初は「勝負」の人がほとんどでしたから、

投資を「備え」、
つまりは、将来の安全を買うための行為として捉え出したのは、
そんなに昔のことではありません。


(ところで、)私たちはなぜ
「長期投資」を実践する必要があるのでしょうか?


理由は、
投資を「備え」と捉えれば、カンタンなことです。

ふつうの生活者にとって
最大の「備え」とは?

老後の生活の経済的インフラを築くことですね。

 

あなた ・・ → あなたの老後
(現在)     (28年後)


だとしたら、
資金が必要になり始める「28年後」に焦点を当てて、
備えとしての投資を実践すればよい。

ということになりませんか?

別に短期で「勝負」する必要もないわけです。)


あなたの「人生スケジュール」に合わせていくと、
自然、長期投資になるよね、というだけです。

※ ちなみに28年後は
資金が必要になり始める時期であって、
その後も20、30年と資産運用そのものは続きます。

 


次に、株式市場側の「事情」もあります。

「マーケットの特性は複雑怪奇で分からない!」
という声はしばしば耳にするものです。

なるほど短期でみると
株式市場はさっぱり分かりません。

しかし長期で見るとそのリターンはおおむね、
経済の成長性(プラスアルファ)に落ち着きます。


つまり株式市場は、
短気では赤子のように振る舞うが、
長期では紳士のように振る舞うのです。


赤ちゃんのように
次の動作がまったく読めないマーケットで短期的に賭けるより、

紳士としての特性のみにフォーカスして、
どっしり構えて市場と付き合う(= 長期投資)のほうが理に適っていると思いませんか?


ただし、
長期投資 =「市場に居続ける」と定義すると、
これそのものは決して居心地のよいものではありません。

私たちは大きな変動や、
資産価値がマイナスになることに過剰反応する
「心のクセ」を持っていますから・・。


実際、ドーンと大きく下落したりすると、
本能的に市場の外に出たくなってしまうのです。
こればかりは時間を掛け、少しずつ耐性を養っていくしかありません。

 



最後に、
究極の長期投資は「忘れる」です。

たとえば、パートナーから強い勧めがあり
バランスファンドを積み立て始めたものの、

本人は投資自体には興味がなく、
10年、15年と結果として「放ったらかし」にしていた・・

これこそ実は長期投資の鏡なのです。

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