ポートフォリオ運用, 投資家の感情リスク

他人のお金を運用したほうが資産管理は案外うまく行くのかもしれません(GPIFの場合)

2020年7月31日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

日常とは平凡な毎日の繰り返しです。

ですので、
ときには「非日常」を求める気持ちも分かります。



たとえば、
他人のお金を運用するっていかがですか?
(非日常体験として。)

 

「えっ、他者のお金を運用するなんて、
ぜったいに考えられないわ!」

「夜眠れなくなっちゃいそう!」



ホントにそうでしょうか?



他人のお金を運用する場合、
自分のお金を運用するのと比較して、

逆に『客観化』がしやすいのではないでしょうか。

他人の・お金、なのですから・・。


 

 

 

 

〇 「やるべきことをきっちりやる。」
〇 「あと余計なことはしない。」
自分のお金を運用する場合と比べて、
かえって行動の【ルール化】がしやすくなる面があるのでは・・。

 


たとえば、
他人のお金を運用することを、
仕事にしている人がいます。

しかも(民間会社ではなく)公の機関で・・。

 



あらゆる『情報』は上から下まで開示され、
運用がうまく行かないときだけマスコミから非難され、

それでも、
黙々と仕事をこなす人たち。
そう、GPIFさんがそうです。



GPIF
「年金積立金管理運用独立行政法人」のコンセプトは明快で、

国民のみなさんからお預かりした
国民年金保険料や厚生年金保険料を、長期的な観点から運用します!


というもの。

 

 




GPIF「年金積立金管理運用独立行政法人」の
最新の運用報告のビデオがこちら。





観ていただくと分かりますが、
あまり面白くはありません(笑)



ビデオ内のスライドにもありますが、

『基本ポートフォリオ』に基づいて、粛々と分散投資を行っているだけなので、まあ、面白くなくて当然なのです。


(※ なお、2020年度から(2020年4月から)
5年半ぶりに以下のように「基本ポートフォリオ」を改定しています。)

 






画像元:日本経済新聞


繰り返しですが、

国民のみなさまから
お預かりした年金積立金を
長期的な観点から運用しています。



がGPIFのコンセプトです。



キーワードは?
(もちろん)『長期的な観点』ということば!

 

 

公の機関ですから、
きちんと四半期ごとの成績は開示しますが、

成績がブレて損失が出たり、
時に収益が大きく落ち込む時期が続いたりしても、

それは長期投資では
いわば『想定済みのこと』であり、← ココ重要!


私たちはそんな短期の変動には目もくれず、

〇 『長期な視点で』
〇 『基本ポートフォリオに基づき分散投資』
これを続けていくのみなのです。

 

 

と、GPIFさんは言っているのです。

ココ、伝わっていますか? 

 

何という達観でしょう・・。

 

 



 

私たちの身近なところに
資産管理の「お手本」って存在するのですね。

GPIFがやっていることは、

自身に合った『ポートフォリオ』をしっかり作り、
それを守るために
定期的に「リ・バランス」を行う。

ただ、それだけです。




晴れの日も
雨の日も
嵐が来ようがヤリが飛ぼうが、
もちろん新型コロナウイルスが長く居座ろうが、

彼ら・彼女らの
『行動指針』が変わることはありません。

 

それは・・
【他人のお金を運用しているからこそ、
為せるワザなのでは。】

 


これからもGPIFの紹介ビデオには、
粛々とした「面白なさ」を期待したいです(^^)



あなたもぜひ、
GPIFの『心の持ちよう』を真似して、

自分が運用しているのは、
「他人のお金」なんだと思ってみてください。

 

その他人とは?

30年後の自分のことですよ。

 

追記)
年金運用、12兆円の黒字に 4~6月期、国内外の株価上昇で
(共同通信)

※GPIFの好成績も(マスコミの皆さま)しっかり報道してあげてくださいね。

カテゴリ:ポートフォリオ運用, 投資家の感情リスク

おすすめの記事