アメリカ株式を選ぶべき(それとも)全世界株式を選ぶべき?
2020年7月30日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
誤解がないように申し上げておくと、
「アメリカ株式インデックス・ファンド」も
「全世界株式インデックス・ファンド」も、
銘柄分散に重きをおき、
超低コストで
市場に「まるごと」投資が行なえる立派なインデックス投資です。
したがって、
どちらを選ばれても、
投資のおおまかな『方向性』が異なってしまう事はありません!
さて、お客様からよくいただく質問です。
どっちがいいのでしょうか?」
はい、
アメリカ株式って「華」がありますよね。
実際、ここしばらくのアメリカ株式の成長は著しく、
他地域の市場に比べて高いリターンを現出してきたため、
→ 全世界株式に占める
アメリカ株式の「割合」は増しています。
なので、
「アメリカ株式を買っておけば大丈夫!」という
安心感のようなものが芽生えているわけです。
しかし、これから先も
アメリカ株式の上昇率が
他の国々を上回るかどうかは分かりません。
これから「吹く風」は異なるためです。
一例を挙げてみましょう。
今、「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」は
49の国の株式を内包しています。
たまたま現在、
日本 7.1%
イギリス 3.8%
ケイマン諸島 3.0% ←中国企業
フランス 2.9%
スイス 2.7%
カナダ 2.6%
ドイツ 2.5%
オーストラリア 1.8%
中国 1.4%
という「国別組入れ比率」ですが、
(6月末現在)
全世界株式は、
国ごとの「株式市場の大きさ」に比して
市場全体(すべて)を保有するだけの金融商品ですから、
→ 49の国の株式市場の成長いかんによって、
上記の「国別比率」は 常に・変遷するわけです。
★ 仮に10年後も、
アメリカ市場が他の市場を上回って成長を続けていれば、
たとえば全世界株式(オールカントリー)の中身は、
中国 10.2%
イギリス 5.1%
日本 4.9%
ケイマン諸島 4.4% ←中国企業
というふうになっていたりするわけで。
あるいは大方の予想に反して、
★ 米国が大きく落ち込みながらも、
他の市場(特に新興国市場)が堅調に推移した場合、
中国 13.0%
インド 10.5%
日本 5.2%
カナダ 4.9%
インドネシア2.9%
ベトナム 2.8%
というふうになっていることも、
あり得るわけです。
「どう転ぶかは分からない。
だから、すべて持っておく。」
市場全体を捉える投資
つまり『全世界株式』への投資は、
今後長らく堅調に推移しても、
〇 万一、世界経済のけん引役が
他の複数の国に入れ替わっても、どちらでもOKなのです。
しかし、
はじめから「アメリカ株式」を選んでしまうと、
米国国内の社会情勢、経済状況に大きく依存してしまいます。
世界市場を相手にビジネスをしている企業が多いとはいえ、
アメリカという経済主体を「選んで」しまうわけですから。
ところで、ヤフーファイナンスから取った
S&P500指数のチャートを見ると、
アメリカ株式にも『キツい時期』があったことが分かります。
画像元:Yahoo Finance
2000年8月28日に
S&P500は1520ポイントを付けました。
2007年には一時的に上記2000年の最高値を更新しますが、
(2007年10月8日の1561ポイント。)
サブプライム問題ですぐに市場は大きく下落に舵を取り、
結局、大勢として2000年8月の1520ポイントを上回るには、
2013年の3月(1551ポイント)を待たなければならなかったのです。
・・けっこう『長い停滞』ですよね。
あなたは「アメリカ株式に投資し続ける」と言い切れますか?
アメリカ株式を選ぶか、
全世界株式を選ぶかと聞かれれば、わたしは逆に、
「あなたは投資を長く続ける中で
世の中に「変化」が生じると思いますか?」と問います。
もしYESなら「全世界株式」で良いと思うのです。
当クリニックでは「個別カウンセリング」(オンライン)を通じて、
iDeCo、つみたてNISA、ポートフォリオの組み方について
具体的にアドバイスさせていただきます。
カテゴリ:インデックス投資全般