インデックス投資全般

国別株式インデックス → 外国株式インデックス → 全世界株式インデックスという発想転換!

2020年7月27日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

インデックス投資の原型は?
それぞれの国の「国別株式インデックス」です。

1976年、バンガード社は
Vanguard 500 Index Fund」の運用を開始しますが、

アメリカ人が
アメリカ株式の平均点(S&P500)に投資をするのは
比較的分かりやすい概念であったはずです。

 

もちろん遅れて、
カナダでもイギリスでも日本でも
ノルウェーでもシンガポールでも、
国別株式インデックスファンド」は盛んになっていきました。




しかし、です。

 

実は「国別株式インデックス」は
インデックス投資の概念の、ほんの一部しか体現していません。

 


少しだけ、アメリカ人にとっての
『アメリカ以外の先進国の国々?』を想像してみましょう。

 

 



 


(こんな言い方をすると)
アメリカ人に叱られるかもしれませんが、

米国人には「私たちが中心よね」という意識がどこかあるため、

・自分たちがよく知らない、
・馴染みも薄い、
・他の国々の、広い範囲の株式に投資を行うのは、

けっこう高いハードル(壁)があったと推察します。

 

 

米国人も日本人もスウェーデン人でも、

インデックス投資にとっての大きな壁は
外国株式インデックス」だったのです。



この『壁の存在』を、アメリカのバンガード社はよく知っていて、

それでも、

「いや、よく知らない広範な対象こそ
インデックス投資に向いているのですよ」と、数多の米国人投資家を啓蒙していった・・

そこが素晴らしいのだと思います。

 

 




1990年、バンガード社は
Vanguard European Stock Index Fund」の運用を始めます。

 




画像元:バンガード社


「アメリカ株」以外に興味がない米国人に、
ヨーロッパ株式に投資を行うインデックスファンドを1990年にローンチする勇気を、私たちは想像してみるべきでしょう。


(1990年。米国株式インデックスファンドの誕生から14年が経っていました。)




が、しかし、後から振り返れば、

この「外国株式インデックス」というカテゴリーも
比較的理解されやすい「投資対象」でした。

なぜなら、

 

1.自国(アメリカの株式)がまずあって、
そして、
2.それ以外の「先進諸国の株式」をパッケージ化したものだから。

 



では、ふたつ目のハードル(壁)は?

全世界株式インデックス」でしょう。



(こんな言い方をすると)
アメリカ人に叱られるかもしれませんが、

「私たちが中心よね」という意識が米国人にある中、

「アメリカ株で十分なのに、アメリカ株式を含めた、
全世界の株式をどうして(わざわざ)保有しないといけないの?」

という『違和感』を多くのアメリカ人が持っていたはずなのです。

 


 

 

バンガード社はおそらく、
アメリカ株式(自国の株式)を『相対化』させるために、

あえて「全世界株式」という投資概念を示し、
アメリカ人の投資家により「高次の視野」を獲得させるべく、

インデックスファンドをローンチさせたのではないでしょうか。

 

この勇気、見識も(まさに)見上げたものだとわたしは思います。




2008年6月にバンガード社は
Vanguard Total World Stock Index Fund」の運用を開始しました。

 

どの国の人にとっても、
『全世界株式』というカテゴリーはまったく新しく
かつ進歩的なものでしたが、

同時に、どの国の人にとっても、
同じ距離感で、公正(フェア)を感じさせる投資対象となりました。

 

実はまだ「全世界株式インデックス」という投資対象が生まれて
12年しか経っていないのです。

(補足)

バンガード社の「トータル・ワールド・ストックETF(VT)」は、
上記Vanguard Total World Stock Index Fundのシェアクラスとして
同年2008年に運用をスタートさせています。

カテゴリ:インデックス投資全般

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