経済よもやま話

ロビンフッド族なるアメリカの若手投資家が、株価急騰の一大勢力になっている?

2020年6月28日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

株価指数の良いところは、
『長い時間軸』『中くらいの時間軸』、

いろいろな時間軸で、
市場の表情の変化を読み取ることができることです。

 

 




画像元:ヤフーファイナンス



新型コロナウイルス拡大の結果、
アメリカのS&P500指数はたった5週間で
およそ35%のマイナスとなりました。

こんな短期間に、
暴落が発生するのは、
長い株式市場の歴史の中でも「はじめて」のことでは?

 

その後、チャート的には
3月23日から6月8日にかけ、
S&P500指数はプラス45%のリターンを記録しています。



なんともまあ・・
凄まじいアップ・ダウン、いや、ダウン・アップですね。




あえて単純に考えましょう。

4月、5月のマーケットの急騰は、
それだけたくさんの人、会社、ファンドが、
大量に株式を買い越したために起こったはず。

個人にフォーカスすると、
証券大手フィデリティでは3月以降、
100万を超える新規口座開設があったのだそう。



TDアメリトレードでも60万の新規開設。
ロビンフッドでは1月以降、
新規口座開設が前年比プラス30%ほどで推移しています。


 

ロビンフッド?

何ですか、それ?

ロビンフッドとは、
売買手数料無料の株取引アプリ会社です。

 

 


アメリカのミレニアム世代に圧倒的に支持されており、
利用者の平均年齢は30歳前後。株取引の初心者が多いのだそう。

 






ここからは、
安田 佐和子さんの記事
米国版“ミセス・ワタナベ”、ウォール街を驚かせる個人投資家②』から引用させていただきます。

 

 

口コミを通じ口座数は増加をたどり、
2016年には200万件だった口座数は
2019年末に1,000万件の大台に乗せ、

 

リテール証券大手チャールズ・シュワブの
約1,200万件と比肩するほどに成長しました。


すごいですね。
(ちなみにロビンフッドは新規株式公開(IPO)も計画しているそうです)




では『ロビンフッド族』なる若手投資家は、
コロナショック下、
いったいどんな投資行動に出たのでしょう?

 

それがとってもシンプル!

 

 

破産申請企業、
潰れるかもしれない企業、暴落した企業を
積極的に買っていったのです。

たとえば、
破産したレンタカー大手ハーツの株式とか・・。


そのほかロビンフッド族に人気の銘柄は、
フォード、GE(ゼネラル・エレクトリック)
アメリカン航空、デルタ航空など。

 

 

わっ、分かりやすいです・・。

 

 


 



以下、再び安田 佐和子さんの記事からの引用です。

 

5月22日に破産申請したレンタカー大手ハーツ株へ
資金を投じた結果、6月に入り同社株は一時5ドル台へ浮上、

その裏でハーツの株式を全て売却した著名投資家
カール・アイカーン氏は16億ドルの損失を計上したというではありませんか。

 

ロビンフッド投資家がウォール街に勝利した瞬間ですよね。
景気刺激策の小切手も、有用だったに違いありません。



上記を読むと
ロビンフッド族が
株式市場の中で『一大勢力』になりつつあることが伺えます。



そのいっぽうで、
投機的な取引に邁進する危うさも垣間見られます。



ちなみに、引用文中にある
『景気刺激策の小切手』とは、
新型コロナウイルス拡大に伴い給付された「給付金」のこと。


 

〇 それまで株式保有率が低かった
35歳くらいまでの若者が、

〇 コロナショックに伴う
特定業種の企業の株価暴落をこの目で見、

〇 給付金という名のあぶく銭?も手に入れたため、
一気呵成に株式市場になだれ込んできたというのが、
一連の流れではないでしょうか・・。

 

 

(私見ですが、今回世界中で行われた巨額の財政支出と、その結果としての一律的な給付金は、もしかすると「空前のバラマキ」だったと、後年批判されることにはならないでしょうか?)




もちろん大前提として
4月、5月のマーケットの急騰は、
個人の買いよりも法人、各種ファンドの買いの要因のほうが大きいと思います。

 

 

しかしロビンフッド族に代表される
若手投資家の刹那的な買いも、急騰の一因であるなら、

そろそろ彼ら/彼女らは、
利確をして保有銘柄を売却し始めているかもしれません。

その「売り」が雪崩を打つように起これば、
ふたたび株式市場は急落する可能性があると考えます。

 


折しも
米国疾病対策予防センター(CDC)のサイトを見ると、
不気味な棒グラフとなってきています。





(日々の新規感染者の推移グラフです)


新型コロナウイルスに対する私たちの認識は、
日々アップデートされます。

今のところ、そのアップデートが
「悪いほうの新事実」に修正されているのが気になるところです。




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