個人型の確定拠出年金なのに、どうして勤務先(会社)に証明書をもらわないといけないの?
2020年6月25日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
以前カウンセリングの際に、
iDeCoへの加入に二の足を踏んでしまいます』
という相談者さまがおられました。
それはそうですね・・。
iDeCoという年金制度に入るか入らないかは、
個人の自由意思です。
だって「個人型」の確定拠出年金ですから!
自分の勤務先に、
「すみません、わたしイデコというものに入るのですが、ここに記入してもらって、会社の印鑑もココに要るんです」
といちいち説明し、
記入、押印してもらわないといけないのです。
はぁ~(ため息)
実はこの『事業主の証明書』こそ
iDeCo加入『最大の壁』だとわたしは思っています。
別の「相談事例」をご紹介しましょう。
相談者さまは東京の方なのですが、
本社が福岡の会社にお勤めで、
おまけに社内でiDeCoの申請を行うのがその方が「はじめて」で、事業主の証明書を書いてもらうのに
おそろしく時間がかかってしまったのだそう。
だいたい確定拠出年金に関する担当部署が
自分の会社ではどこになるのか?
―人事?総務? それとも別の部署?―
そこから当たりを付けていかないといけないわけで・・。
仮にあなたの職場がわりと小規模で、
事業主の証明書
正確には、
「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」をもらおうとすると、
職場の人に
その事実を知られてしまう可能性があります。
そもそもプライベートなことなのですから、
大きなお世話であります!
iDeCo制度そのものは素晴らしいと思います。
また「所得控除」というメリットも明快で、
「じぶん年金作り」の強力なインセンティブになります。
ただ、制度という『箱』は合理的なのに、
その中身を動かすオペレーションが、
なんと云いますか、
時代遅れで、
形式的で、
権威主義なのです。 昭和の書類主義!
iDeCo制度の所轄(国民年金基金連合会)が汗を掻くのではなく、
加入者や企業に汗を掻かせている点が、大きな問題だと思います。
◆ 参照記事
【iDeCoの実施主体、国民年金基金連合会へのギモン、疑問】
また今般、確定拠出年金の法律が改正され、
2022年10月から、
一律iDeCoに加入できるようになります。
ん?
まさか、
もしかして、
この場合も一律『事業主の証明書』が必要になる?
企業型DCの加入者であるあなたが、
iDeCo加入のため『事業主の証明書』をもらいに行く際に、
もしかすると、
みたいなおせっかいを言う担当者がいないとは限りません。
企業型DCの加入者にとって、
「マッチング拠出」それとも「iDeCo加入」?という命題についてはまた別の機会にお話ししますね。
(ともかく)一刻も早く
『事業主の証明書』が撤廃されることを願います・・。
【追記】(2020.8.21)
新たな動きが出てきました(^^)
日経新聞『会社員のiDeCo加入、事業主証明を不要に 厚労省』
当クリニックでは「個別カウンセリング」(オンライン)を通じて、
iDeCo、つみたてNISA、ポートフォリオの組み方について
具体的にアドバイスさせていただきます。
カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)