8資産均等型と株50・債券50のバランスファンドの違いについて
2020年6月19日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
バランスファンドにとって重要なこと。
それは、
そのファンド特有の【型(かた)】を知ることです。
ここでは具体的に、
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」と、
「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」を比較してみたいと思います。
両ファンドとも【高度な分散】を施しています。
すなわち、
〇 資産の分散
〇 国・地域の分散
〇 通貨の分散 です。
両ファンドを「つみたて」で購入していけば、
・投資時期の分散 もカンタンに実現します。
また、継続コスト(運用管理費用)も非常に低廉です。
以下の3つの点についてその『世界観』が異なります。
1. 細かい資産配分が「固定」か「変遷」か
2.円建て資産の割合
3.REIT(不動産投資信託)の存在
1.について云うと
「eMAXIS Slim バランス」の資産配分は、
シンプル明快な『単純・固定型』です。
世の中の変化も、
マーケット状況も関係なく、
「この割合でずっといきます!」と高らかに宣言しているわけです。
それに対して、
「楽天・インデックス・バランス(均等型)」は、
株式(50%)債券(50%)のおおもとの配分は『単純固定』ですが、
株式、債券それぞれの資産配分の中身は【変遷します。】
たとえば
当該バランスファンドは
全世界株式部分に、
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)(年間経費率 年0.08%)を組入れています。
VTとは48ヵ国の世界株式を内包するETFであり、
それぞれの国の組入れ比率は、
株式市場の大きさの比率によって定まるため「常に・変遷していくわけです。」
↑ ココ、伝わっていますか?
債券(50%)部分も同様です。
完全固定型の「eMAXIS Slim バランス」とは、
対を成すといってよいでしょう・・。
次に2.ですが、
楽天・インデックス・バランス(均等型)の
「円建て資産」はかなり少なめ。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)を、
『債券部分』では
バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンドを保有します。
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)のファクトシートを見ると、日本株式の割合は7.8%となっています。
このVTを半分だけ組み入れるので、
当該バランスファンドにおける日本株の割合は3.9%です。
一方、
バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンドは、
日本債券の割合は10数%です。
これを半分だけ組み入れるので、
当バランスファンドにおける『円建て資産』は10%程度なのです。
(※ ただし、当該バランスファンドは
日本債券以外の『債券部分』には円ヘッジが入ります。)
対して「eMAXIS Slim バランス」は、
株式、債券、REITで「円建て資産」が計37.5% あります。
これは?
ある程度「円資産」を維持しながら
国際分散投資を行っていこうというメッセージなのです。
そして最後の
3.REIT(不動産投資信託)の存在が、
「eMAXIS Slim バランス」最大の特徴と云えるでしょう。
資産市場におけるREITマーケットの大きさは(現状)、
債券、株式に比べると微々たるものです。
しかしながら、
株式37.5%、債券37.5%に対して、
REITを25%組み入れるということは、
おおもとの資産配分においては、
明らかにREIT資産をオーバーウェイトしていると云えるでしょう。
(いっぽう「楽天・インデックス・バランス」は
REITの組み入れは行っていません)
どうでしょう?
バランスファンドという特性は同じでも、
ずいぶん【個性】が違っていると思いませんか?
バランスファンドのフィールドも意外と深いのです・・。
カテゴリ:バランスファンド