確定拠出年金(iDeCo・企業型)

今年1月、DC世界経済インデックスファンドに300億円近い資金流入があった理由がおおむね分かりました

2020年6月3日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

前回、確定拠出年金専用ファンドである
「DC世界経済インデックスファンド」
どうして300億円近い資金が流入したのだろう?というブログを書きました。

こちらの記事

 

 

 

すると先日、
当ブログの読者の方からご連絡をいただき、
「謎(なぞ)」がみるみる解けたのです。

(Aさん、ありがとうございます!)

 

カギは以下日経新聞の記事にありました。

 

そう、
実はご連絡をいただいたのはソニーの社員の方です。


 

以下、ソニーの企業年金の『変遷』をちょっと記してみましょう。

1.確定給付型年金のみ
    ↓
2.確定給付型と確定拠出型の併用へ
    ↓
3.確定拠出型年金のみに(2019年10月)

 

 

 

 

 

当ブログの読者(Aさん)からいただいたメール内容を
以下引用させていただきます。

 

上記記事にある、
ソニーの企業年金のDCへの移換金が
12月下旬に反映されたのが原因と思われます。



DCの運用商品には
「DC世界経済インデックスファンド」が含まれており、



入社年度にもよりますが、
40台後半以降では補填金もあわせて、1000万円を超える『移換金』が発生している人もいるとのことです。


なるほど・・。

 

 

そもそも「移換金とは?

確定給付型の年金から
確定拠出型の年金へ移行する際に、

「従前の確定給付年金制度」で紐づけられていた、従業員一人ひとりの『年金原資』を、確定拠出型の年金制度に移行させる際に発生するお金のこと。



ソニー、確定拠出年金に完全移行 エレキ事業3万人
の記事をお読みいただくと、

従前の確定給付型から、
確定拠出型の年金へ完全移行する際に、

ほんらいの「移換金」にプラスして
会社が4割上乗せをしてくれていることが分かります。
(この上乗せ分が『補填金』です)

 

 



 

Aさんからのメールでも、
補填金もあわせて
1000万円を超える『移換金』が発生している方がいるとのご指摘がありました。


以下、まったくの『仮定』ですが、
ちょっとシミュレーションしてみましょう。

 

 

〇 仮にソニーにおいて、
会社からの補填を合わせた従業員全体の
『平均・移換金』が600万円あったとしましょう。

3万人の社員が対象であったとします。

〇 一部確定拠出年金導入時から、
従業員の企業DC資産の約15%
「DC世界経済インデックスファンド」で積み立てられていたとしましょう。

 


「移換金」が昨年12月に入金されたことで
『共通配分指定』が適用され、

600万円 × 3万人 × 15% = 270億円分の
「DC世界経済インデックスファンド」への買い付けが為された、という推察はそんなに的外れではないと思います。



ここからわたしが学んだこと。

投資信託全体の『純資産残高の推移』を広く括り直してみましょう。


実は通常の投資信託マーケットにはない、とんでもない「秘密兵器」を、企業型DC(企業型の確定拠出年金)は保持していることが分かります。

 

移換金』という名の秘密兵器です。

 

 

 

 

今後ソニーのように
確定給付型年金から、確定拠出型年金へ【完全移行する】企業が増えてくると考えると、

『移換金』という形で
給付型から、確定拠出型の年金制度へ
膨大な資金移動が起こるのではないでしょうか。

 


もしかすると「あなた」も
ある日突然、何百万円単位の「資産運用の原資」を目の当たりにするかもしれないのです。

~日本人の多くが確定拠出年金を通じて資産運用と出会う~
上記わたしの仮説は間違っていないと思います。

(Aさん、このたびは貴重な情報をありがとうございました!)



カテゴリ:確定拠出年金(iDeCo・企業型)

おすすめの記事