ジェレミー・シーゲル先生は、今後の株式市場に「強気」です
2020年5月29日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
時に、
自分と違う意見をしっかり聞いておくことって重要。
自分の考えを「客観化」し「再構築」する手助けとなるためです。
書籍「株式投資の未来」で有名なジェレミー・シーゲル先生は、
今後の株式市場に対して『強気』です。
5月8日にアップされたCNBCでの発言です。)
(ご高齢にも関わらず、ハキハキと答えておられ、とてもお元気そう。)
以下、一部引用、かつわたくしカンの意訳となります。
(細かいニュアンスなど異なる場合がありますので、
その点ご留意のうえ、お読みくださいませ)
わたしもいつも経済ニュースをフォローしているが、
発表そのものはそんなに気にしていない。
その手の「情報」はすでに起こったこと、「バックミラー」なのだ。
(どうして株式市場が上昇しているかといえば、)
株式の価値の9割以上は
今後12か月『以降』の企業の利益によって説明できるからだ。
今後12か月は(もちろん)悲惨だ。
しかし仮にこの1年内に、
治療法、ワクチンについて大きな進展があれば、
つまり、新型コロナウイルスに対する「恐怖」が減じられれば、
2021年は「booming year」(株式ブーム)が訪れるだろう。
また、シーゲル先生は、
3月(3月23~24日)の安値が底値であると思う。
と述べられています。
ただ懸念すべきは、
もし治療法もワクチンもない状態で、
『第2波』が10月にもやってきて、
再びロックダウンを強いられることになった場合だ。
しかし、わたしはその可能性はとても低いと思う。
とも発言されています。
最後にシーゲル先生は、
これから1年半、2年のうちに
米国株式の高値更新はあり得るか?という質問に対して、「それはあり得る」と回答されています。
そして、3~4%のインフレを予想しています。
さて、この「インフレーション(物価上昇率)」。
これはもちろん、
中央銀行(FRB)が
前例のない規模で市場に供給している『流動性』に依ります。
万一、
1年内にワクチンの開発・流通が起こり、
(過剰流動性のもとで)消費爆発が起こると、
インフレが急伸する可能性があるとわたしは考えます。
中央銀行(FRB)は果敢に(かつ遅滞なく)
金利を引き上げることが出来るのでしょうか?
〇 まだ(ウイルスが)心配だよ、
〇 まだ(失業率も)高いよ、
〇 企業にも個人にも(まだまだ)十分な手当が必要だ・・という声に押され、
『過剰流動性』を抑え込むことに躊躇が起きれば、
インフレーションを制御できなくなるかもしれません。
歴史上、↑ 衆愚政治ならぬ「衆愚経済」は
しばしば繰り返されているのです・・。
カテゴリ:経済よもやま話