わたしのFP修行

ライフプランを伴わない「資産運用アドバイス」には意味がありません

2020年4月10日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。 

最近のテレビ、メディアの報道には辟易してしまいます。

毎日毎日コロナ関連の情報ばかり観ていると、
視野が狭くなるばかりか、

過去、現在、近い未来をつなぐ
『横の時間軸 = 本質変化』が見えにくくなり、
また、物事の『全体のカタチ』を把握するのが困難になります。


実はホリスティック・アプローチ
(holistic approach = 全体的なアプローチ)と
呼ばれるコンサルティングの手法があります。



お金や資産運用の相談に来られるお客様は、

1.運用に関するお悩みそのもの。
2.それに伴う感情的なご負担。


この二つを携えて、
スカイプの前でカウンセリングを待たれたりするわけです。


アドバイザーはその際、
相談者さまの「全体のカタチ」を把握することに努めます。

この場合の『全体』って?



実は「お金のこと」だけではありません。


相談者さまの「お金のこと」って

その方のお仕事や、ご家族や、
交友関係や、住まいや所有物や、趣味や生き方や、それらにまつわる出費や収入などを加味してはじめて【意味を成す】ものです。

 

投資信託のアドバイスも、
貴方のライフ(人生)に基づくことが「マスト」であるはず。

 

 

 

 


「お金」の背後にある全体のカタチを掴むヒントになるのが、お客様が今、何に揺れているのか・・という『感情面の理解』ではないでしょうか。



今はコロナショックという「大きな隕石」が突然降って来て、運用資産そのものに大きな変化が生じています。

 

そのため、

・自分の運用スタイルに自信が持てなくなっている人
・運用を縮小したいと考えている人
・前向きに運用の拡大を願っている人
・具体的なアクションを起こさないと!と焦っている人
・頭の中が真っ白になっている人

実にさまざまな状況の『相談者さま』がおられます。

 


お客様は当然、
直近の大きな出来事(コロナショック)に反応されて
相談に来られるわけですが、

アドバイザーは
その直近の「お悩み」を解消するだけでは駄目なのです。



なぜなら、

直近の大きな出来事(コロナショック)は、
相談者さまの「本質的なお悩み」が現れる『きっかけ』に過ぎないためです。


背後にある『全体像』、
お客様の過去、未来という『時間軸』も念頭に置かないと、

それこそ対処療法的な「アドバイス」に終始してしまいます。

 

 


具体例を挙げてみましょう。

新型コロナウイルスの拡大に伴う自粛要請の影響で、
収入が減少してしまった家計では
「固定費の見直し」が必須となりますが、

この期に及んでようやく
『保険という道具』の根本見直しに至った相談者さまがおられます。

また、
新型コロナウイルスの拡大によって
先進各国は過去に例のない大規模な財政出動を表明していますが、これは?

 

「国の借金が増える」ということ。

 


ドルもユーロも円も(これから先)
どんどんお札を刷っていくわけで、

これによって近い将来
インフレ』を誘発する可能性があります。

相談者さまは、住宅ローンの金利を
変動から固定に切り換えられる決断をされました。

これが『全体のカタチ』を掴むということの一例です。

 




 

 

結局のところ、
相談者さまがアドバイザーに求める付加価値とは、
自分では見えない部分を、見せてくれること」ではないでしょうか。



今のような非日常の生活が突然始まって、
いったい誰に相談していいのか分からない!」と、戸惑っている方も多いと思います。

僭越ながら、

このような時の、
このような状況に応じるために
わたしの仕事(FP)は存在すると自負します。

 


考えてみてください。

自分のお金のことを、自分以外の人間に、
全面的に開示するなんて、
(普段のモードでは)なかなか考えられません・・。

ただ、このような状況だからこそ、
ふだんはしないであろう、
行動の別ギヤを入れることもできるのでは?


最後に、
カウンセリングに(最終的に)価値が生じるか否かは、

面談を通じ、お客様が行動を変える
(あるいは行動を起こす)【スイッチ】を
アドバイザーがONに出来るかどうかにかかっています。

このことを忘れず、日々仕事に励みたいと思います。

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