最悪に備えて、最善を尽くす(個人投資家がクールダウンするために必要なこと)
2020年4月9日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
すみません、
昨日書いたブログ記事は
なんだか暗いトーンになってしまいました。
「大きな不況が来るぞ!」と、
別にあなたを怖がらせることが
わたしの目的ではないのです。
私たちはこのような状況下、
『心の準備』をしておくことが必要と感じています。
きのうのブログでは
「新型コロナウイルス」の数字と、
「経済悪化」の数字の関係性についてお話ししました。
今日は「経済悪化」の数字と、
「株式市場」の数字の関わりです。
なにしろ今回は
元凶が『新型コロナウイルス』ですので、
このウイルスのしぶとさいかんによって、
その後の
「経済悪化」の数字、
「株式市場」の数字の推移も
ずいぶんと変わってしまいます。
ただ、ひとつ言えることは、
「経済悪化」の数字と
「株式市場」の数字は、
双子の兄弟のように、
同時に共鳴しながら変化するわけではない。ということ。
具体的には
それが半年続くか、2年続くか分かりませんが、
「最悪の数字だ!」という経済指標が出ている頃には、
株式市場のそれ(数字)は、
まるで大きなクジラが少しだけ海面に顔を現すように、静かに・上がり始めているはずなのです。
株式市場とは
景気の先行きをかぎ取る「先行の物差し」です。
が、今の株価の上下を見ていると、
あれ?この匂いはポジティブか、ネガティブか?
匂いをかぎ分けられないぞ?と、
マーケットそのものが戸惑っている様子が
こちらに伝わってきます。
このような場合、
私たち個人投資家には、
【最悪に備えて、最善を尽くす】心構えが求められます。
最悪とは、株式市場の反応として
2008年のリーマンショック級の
『アップダウン』を想定しておくということ。
いいですか、
以下、あなたを怖がらせることが目的ではありません。
あなたに心の準備、
腹積もりをしていただくことが目的なのです。
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リーマンショック時、
アメリカの代表的な株価指数S&P500は、
最高値からボトムまでを計ると
なんと『マイナス57%』を記録しました。
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今回、ダウ平均は
2020年2月15日の「29500ドル」が高値であり、
仮に、
そこから『57%』下がるとすると、
「12700ドル」になります・・。
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くり返しになりますが、
わたしはあなたを怖がらせたいわけではありません。
あなたに(気持ち上の)準備を
しておいていただきたいのです。
もし、そのことが実際に起こったとしても、
「恐怖」におののくことはありません。
「恐怖」という切迫した心情に支配されなければ、
資産運用において
『感情的に』行動してしまう可能性がうんと減ります。
たとえば運用資産の一部を現金化してしまうこと。
一部をキャッシュに換えてしまえば、
もう更なる下落を気にしなくてよいわけですから、
この誘惑はけっこう強烈に襲ってくるかもしれません。
だから『心の準備』をしておく!
これはたとえとして
相応しいかどうかは分かりませんが、
「ホラー映画」って
いちばん最初に観るときだけが真に怖いですね。
(この先何が起こるか、分からないからです。)
でも、二度目に見るホラー映画は、もはやホラーではないわけで。
もし万一、
アメリカダウ平均が
「14000ドル」とか「13000ドル」になったとしても、
それは世界の終わりではありません。
それは長期投資家にとって
生涯に何度もない「千載一遇の購入機会」なのです。
先日、以下
モーニングスターの記事を見つけました。
『つみたてNISAファンド、3月資金流入額は過去最高、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」などけん引』
つみたてNISA対象ファンドの、
18年1月以降の月次資金フローを集計すると、
先月(3月)の
対象ファンド全体への純資金流入額は1461億円で、
制度開始月の18年1月の1345億円を上回って最大となっています。
2020年2月に比べ、資金流入が2.1倍になっている点です。
(この集計では、
つみたてNISA口座以外の一般口座を通じた資金フローも含まれている点にご注意を。)
それにしてもなんだか「不思議」に思いませんか?
上記はいったい何を示しているのでしょうか?
株式市場が暴落した3月に
世の中全体が薄暗くなる中、
市場の下落をピンチではなくチャンスと捉える個人投資家が増えているのです。
これは頼もしいこと・・。
あなたと同じ考えを持った
あなたのお仲間は近くに「いる」のです。
最後に、
今、物理的に外になかなか出られないので、
適度な室内運動、十分な睡眠ってけっこう重要ですよ。
(資産運用で感情的な判断をしてしまわないために!)
カテゴリ:投資家の感情リスク