経済よもやま話

ウイルスの拡大は序章で、経済の不況が本編なのかもしれません

2020年4月8日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

ここは冷めた目で見る必要があります。

新型コロナウイルスの拡大の「数字」と
経済の悪化の「数字」は、
別次元で捉える必要があるのです。

経済の「数字」は
新型コロナウイルスの惨状に遅れて現出します。


ちょうど今、
米国は悲壮に満ちた4月を迎えていますが、
たとえ感染者数の伸びがピークアウトしたとしても、

 

企業の決算発表もGDPも失業率も倒産件数も
遅行指数」であるため、
あとから「数字」のショックが襲ってきます。

 



こちらはCNBCの記事(3月30日)です。

 

 



画像元:CNBC


米国の失業率が32%に達すると、
セントルイス連邦準備銀行が予測しています。



これまで『アメリカ史』の中で
もっとも失業率が高かったのは大恐慌の最中(1933年)、
24.9%という数字でした。

もちろん上記連銀の予測は
最悪の一シミュレーションという位置づけでしょうが、
一時的に大恐慌を上回る失業率となる可能性があるのです。



新型コロナウイルスは
世界中で猛威を振るっており、
数百万人の方が病に苦しみ、また亡くなられる方も多数おられます。

(とてつもなく大きな災禍です)

が、
こんな言い方をすると
お叱りを受けるかもしれませんが、

新型コロナウイルスで亡くなられる人より、
経済の『仮死状態』が続くことで、
ずっと多くの人が死んでいく危険を孕んでいるのもまた事実なのです。

 

 

 


今、この瞬間、
世界中で経験している経済活動のシュリンク【劇的縮小】は、私たちがかつて経験したことがないもの・・。

 

仮にあなたが今、30歳だとすると、
このコロナショックは
大人になってはじめて経験される『経済的危機』であり、

あなたの人生で、
あなたの記憶に長く残るであろう
生涯に何度もない「出来事」となるでしょう。

私たちはすでに
『経済不況』の中に両足を入れているのです。


たとえば、です。


世界のいくつかの地域で
新型コロナウイルスの終息宣言が(仮に)出たとして、

 

「はいでは、経済のほう復活ですね!」

 

と果たしていくのでしょうか?

・・残念ながら(そうは)行きません。


もちろん、
経済活動のシュリンク(劇的縮小)期間が
どの程度続くかにもよるでしょうが、

まず、私たちの『マインド』そのものが
「終息したんだ!じゃあ活発にいこう!」とすぐには移行できない可能性があります。

 

 

 

思い出してみてください・・。

当初私たちは、
不要不急の外出自粛要請に、
すぐには・慣れられなかったはずです。

自粛を「縮み」とすると、
その「縮み」の期間が長ければ長いほど、

まったく逆のベクトル、
「伸び」の状態に戻すのにも、

周りの様子を見ながら、
ゆっくりゆっくり漸進で・・となり、
それなりに時間がかかる可能性が高いのです。

 

『コロナ前』の通常経済モードに還るには、
私たちが予想する以上に長い時間がかかることでしょう・・。

 


先ほどは「ザ・経済」みたいに、
すべての経済活動をいっしょくたにするような言い方をしましたが、

現に今、コロナショックという大変動があったために、潤っている業種も(いくつも)出ています。

 

以下、モノ、サービスを作る業種でイメージしたいのですが、

経済活動のシュリンク期間が長くなってしまうと、
製造、生産のライン、サービスの規模をいったん縮小せざるを得なくなります。

・・そして、その後。)

新型コロナウイルスが落ち着き
通常モードの需要が戻ってきたとしても、
(これまた)すぐには対応できないわけです。

 


なぜなら、設備をもとの大きさに戻し、
サービスの規模を復活させ、人もまた雇って、

もとの「大きさ」でモノ、サービスを提供するまでにはある程度の時間が必要になるためです。

いずれにせよ、私たちは本格的な経済不況を迎えつつあります。

続く・・)

 

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