経済よもやま話

暴落の様相とバブルの現場は、コインの表と裏です

2020年4月4日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。 

「真っ逆さまに落ちる」という言葉がありますが、
3月第1週~第3週の株式市場がまさにそうでした。

今回は新型コロナウイルスという「天災」ですから
企業も個人も『現金(キャッシュ)』の確保に走り、

一時的に、株式、債券、不動産(REIT)、
金貴金属がすべて「下落」するという現象が起こっています。

特に日本のREITの暴落ぶりに驚いた方も多かったと思います。

これは地方銀行がREIT保有者の一大勢力となっており、
今回の急落を受け、3月末の決算対策のため
刹那な売りに殺到したのが原因の一つとされています。



最近、「コロナ後」という単語が散見されるようになりましたが、
日本でも『テレワーク』が本格的に普及すると、
オフィスビル市場は冬の時代を迎えるかもしれません。

逆に居住用マンションなどは、
(テレワーク用の)書斎?を備えた
「2LDK+ワークスペース」みたいな間取りが人気を博す可能性があります。

(ところで)暴落する市場は、
歴史的に見れば暴騰する市場の『裏返し』です。

どちらも過剰に反応しているという意味では
「同じ根」を持つわけです。

 


先ほどの、
オフィスビル市場は冬の時代を迎えるかも、
という言葉ですが、

かつて日本では、
オフィスビルの需要が沸騰すると信じられた時代がありました。

 



東京都内の人はご存知と思いますが、
1986年に開業した六本木の「アーク森ビル」は
バブル経済の幕開けを飾る、大型オフィスビルでした。

(当初ゴールドマン・サックスなどが入居しました)

『東京がアジアの金融センターになれば、
オフィスの数が圧倒的に足りなくなる・・』
この乾いた欲望がバブルの引き金となりました。

今となっては信じられないですが、
1989年秋には、
都心ホテルの客室稼働率が軒並み9割を超え、
空き室がなくなるという現象が起こっていたのです。


米国のITバブルとその崩壊(1995~2000年)も
今から振り返ると感慨深いです。

ITバブルとは文字通り、
ハイテク企業のPERが1,000倍
2,000倍と買い上げられた「狂喜」そのもののこと。

今でも思い出すのが、
「グローバル・クロッシング」という会社です。

光ファイバー事業に従事しており、
当時メディアなどで大々的に取り上げられていました。

わたしはこの会社の株式を
本気で買おうと思っていた節があります。
(が、2001年に同社は倒産してしまいます・・)

 



ただ、ITバブルの崩壊から20年が経ち、
情報通信技術で世の中が変わる!」という予言は
決して間違っていなかったことが証明されます。

(アマゾンは見事に生き残りましたね。)

しかし多くのドットコム企業は姿を消しました・・。

 

まるで炎が燃え盛るような熱狂は、
新しい時代の「前奏曲」なのかもしれません。

 


わたしは先日、
Zoom(ズーム)の有料会員になりましたが、

新型コロナウイルスという災厄の陰で
同社のように株価が暴騰している会社もあるわけです。

時を移しましょう。
こちらも乱舞のような米国の住宅バブルです。

アメリカではほんらいローンの借り入れが出来ず、
マイホームを持てない人たちまで大挙して家を購入し始めました。
住宅バブルのピークが2007年頃に訪れます。

映画『マネー・ショート』を観ると、
ちょっと怪しげな住宅ローン会社が、

移民で英語の契約書もろくに読めない人たちに
ローンを組ませる姿が描かれています。



これがサブプライム住宅ローン危機です。
(その後の、リーマンショックとなります)


今回のコロナショックは「天災」です。
それゆえに、経済に対する影響の大きさ、影響の長さが計り切れず、

それゆえ「株式市場」も
自分がどの程度、反応していいのか決めあぐねている様子が伺えます。

翻ってこれは「天災」ですから、
この病気に対する治療薬が確立され、
ワクチンが開発されそれが広く行き渡れば、

マーケットのリバウンドの大きさ、
そしてその鮮明さも、
かつてないほどダイナミックなものになるのではないでしょうか。

暴落と暴騰は(実は)隣り合わせなのです。

 

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