ふたつの図表から見る「つみたて投資」の真実
2020年3月22日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
下記、ふたつの図表は好対照です。
(いずれの図表も星野泰平さんの書籍、
半値になっても儲かる「つみたて投資」(講談社+α新書)からの引用)
いっぽうは
春真っ盛りの暖かな空気をいっぱい吸い込んで、
すべては順調。
なにしろ10年つみたて投資を続ける中で、
積み立てた投資信託の価格が
右肩上がりで伸びてくれましたから(^^)
でも、実は
このような価格推移は、
つみたて投資にとっては
あまり「おいしく」ありません。
月1万円、10年間つみたてをして、
投資元本120万円に対して、
あなたのつみたて投資の成績は「167万円」
・・思ったほど、増えないのです。
いっぽう、
つみたて当初から空は雲に覆われ、
秋雷が鳴り響き、つむじ風が吹いて温度も下がり、
あなたの投資も真っ逆さまに・・。
ほら、ご覧ください。
あなたがつみたて投資をしている投資信託は、
最初の価格1万円からずるずると下がり続け、
5年目にはついに
2000円まで暴落します(-_-;)
その後、持ち直したものの、
10年つみたてを終わって、
最初の価格 1万円に戻しただけです。
・・ひどくないですか?
でも実際
月1万円、10年間つみたてを続けたら、
投資元本120万円に対して、
あなたのつみたて投資の成績は?
・・「241万円」に。
増えます?
はい、増えます。
つみたての途上で
投資信託の価格が『大いに』下がってくれたほうが、
つみたて投資にとっては(実は)「おいしい」のです。
価格が下がりに下がって、
周りの人は意気消沈して青白い顔をしているのに、
わたし(つみたて投資家)だけが、
独りこっそり微笑んでいるのはなぜでしょう?
今この瞬間の「損益」には
ほとんど意味がないと悟っているから・・。
つみたて投資は
『口数』を稼ぐことと、
『価格』がそれなりに戻ってくれることの「合作」だと知っているためです。
下がりに下がって、
安く買える喜びに浸るというのは
ちょっと『M気質』なのかもしれません。
でも、投資においてはSよりMのほうが健全です。
投資信託そのものの成績と
あなたのつみたて投資の成績は、
まったく『別物』になるのですよ・・。
カテゴリ:つみたて投資