市場の動揺もなんのその・・アメリカの個人投資家の『体験談』に学ぼう
2020年2月29日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
良いニュースはほとんどなくて、
悪いニュースが圧倒的多数を占める中、
マーケットは下がり続け、
でも、そんな市場環境の中で、
じっと【動かない】ようにするためには?
投資から
『離れること』です。
ほかの
何か時間を割ける
夢中になれるコト、モノがあれば一番ですね。
遊園地に行くとか、ラグビーを観に行くとか。
「だからカンさん。
今、そういうのがぜんぜん出来ないんですよ!!」
あっ、そうでした、すみません・・。
では、一人ひとりの投資家の『体験談』を
なぞってみるというのはいかがでしょう?
理不尽に下がり続けるマーケット下で、
何を考え、どんなふうにやり過ごしてきたのか。
それを知ることで、
あなた自身を
少しは客観化できるはずです。
実は昨日のLauren Wybarさんの動画のネタ元が
「Know when to do nothing」というコラムです。
当コラムではもちろん
『マーケットが錯乱状態でも、
何もせず市場にとどまり、
粛々とリ・バランスをするだけ」と謳っているのですが、
興味深いのは記事に寄せられている
多数のコメントです。
(これを見るだけでけっこう勉強になりますので、)
いくつか紹介してみましょう。
【※ コメントは一部抜粋。
カンによる意訳であることをご留意くださいませ。】
わたしは自分の運用を放置していました。
わたしの運用資産も41%のマイナスに陥りました。
自分の資産価値が下がるのはチェックしていましたが、
何か行動を起こす気にもなれなかったのです。
いつかマーケットは回復するはずと思っていましたが、
もし仮に回復しなくても、
それはそれで何とかなると思っていました。
わたしは売ってしまいたいという気持ちを鎮めることが出来ましたが、
振り返ってみると、たいへんに困難な出来事であったと思います。
わたしの友人の多くは当時リスク資産を売却し、
市場には戻って来ませんでした。
代わりに、CD(譲渡性預金)、MMF、預金、国債などに
資金を投入しているようでした。
1987年当時の暴落の話(ブラックマンデー)を聞いていたよ。
その時はダウ平均が1日で22%以上下がったらしい。
それに比べたら・・。
ネットフリックスで
できるだけ長いシリーズもののドラマを見るのが一番よ。
あれはわたしに起こった最良のことでした。
アメリカそのものが
バーゲンセールを実施していたわけですから。
アップルが79ドルで買えました
(株式分割の前。今なら 12ドルのイメージ)
暴落とはそうそう訪れることがないチャンスなのです。
マーケットの長期下落を経験しています。
このとき、父は怖くなって、
ほとんどの資金を市場から引き上げました。
しかし、時が経って、
父はわたしにこう言ってくれたのです。
「自分はあのとき、
ボラティリティなど無視して、
もっと資金を投入すべきだった。それが、わたしが学んだことだ。」
2008~2009年の暴落に遭うまで、
父の意味するところがよく分かりませんでした。
でも今では分かります。
わたしは父の教えがあって、
金融危機のときに
市場に留まることが出来たのですから。
フムフム。
アメリカは個人投資家の歴史が長いため、
世代を跨いだバブルの経験や、
暴落の経験を多数の人が『共有』しています。
これらの『体験談』を通じて、
たった独りの投資家、つまりはあなたやわたしも、こう実感できるはずです。
市場が動揺しても、
決して動かず静観していること。
これはチャールズ・エリスの名言ですよ。
カテゴリ:投資家の感情リスク