NISA活用法, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)

出口のメリットが大きくなる「つみたてNISA」と、出口のメリットは控除次第の「iDeCo」について

2020年2月24日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。 

iDeCo、つみたてNISA双方に興味を持つのは良いことです。
両制度についてしっかり学ぶのも(これまた)良いこと。

しかし、ふたつの制度を知れば知るほど、

 

「キャラがずいぶん違うな。」

 

と驚かされます。

 

iDeCoはこう、
スーツ姿で真面目なのです。

 



 

「靴は入口で脱いでくださいね!」と言われ、
いろいろな手続きに
いろいろと時間がかかり、

別途継続コストもかかって、
(その上)あまり融通が利きません。


いっぽう、
つみたてNISAはジーンズ姿でカジュアル。
(もちろん最初の手続きは必要ですが。)





たとえばネット証券で
つみたてNISAを利用する場合、

使用するインフラは
既存のつみたて投資(特定口座での自動引き落とし)と同じイメージ。
別段コストもかかりません。

つみたて金額の変更なども、
フレキシブルに行えます。




「じゃあ、つみたてNISAのほうがいいの?」というとそうでもなくて、

毎月掛金を払い続けるだけで節税できる
『所得控除』のメリットは、

「やっぱiDeCo優先だな!」と思わせるインセンティブを十分に有しています。

 

なにせiDeCoでは
「今の」
「確定したメリット(所得控除)」が、
「継続できる」わけですから・・。

 


それに対して、
つみたてNISAのメリットは?

投資信託の将来の「利益」に対して非課税になること。

それって?

 

「けっこう未来の」
「不確定な」メリットです・・。

 

違いますね。。

 

 

さて、ここでは
あなたは今40歳(2020年)とします。

遠い『出口』のところに絞って今日はお話します。

(2020年の税制大綱によれば、)

つみたてNISAでは
最後に掛金を投入できる年が5年間延ばされ、
ラストの「資金投入の年」は2042年になる予定。

そこからの『非課税期間20年』というと・・?
制度の終わりは2061年

あなたが81歳になる年ですよ(^^)

 

 



 

つみたてNISAとは
恐ろしく長い時間軸を持つ制度なのです。

しかも、
2020年から同制度を活用すれば、
通算で投入できる運用資金額は?

23年×40万円
= マックス920万円 になり得ます。


もちろん30年、40年後のマーケットがどうなるかは誰にも分かりませんが、

人間の健全な欲望が衰えず、
(かつ)それに応えるべく新たなアイデアや産業が
ふつふつと湧き興ってくると考えれば、

世界経済の「伸びしろ」は
そこそこ大きいのではないでしょうか?


〇 ある程度大きな投資可能額。
〇 2061年までの超長期の制度。

 

このふたつを併せて考えると、

投資信託の運用益に対して(今の時点で)
すべて『非課税』にするよ!と約束してくれている「つみたてNISA」は、とてつもなく大きな『ご褒美』を有している制度だとわたしは思います。

 


「利益」がいかように大きくなっても非課税だよ、
ということは、

4年や9年や13年程度の運用で
ファンドを売ってしまわずに、

 

我慢比べ大会ではないですが、
鷹揚に、いい加減に?
いかに『売ってしまわない状況』を長く保てるかが最大のポイントになってくるわけです。

 

これ、↑ 文章では簡単に書けますが、

 

 


相応の「忍耐力」が求められ、
なかなかにタイヘンなこと・・(-_-;)


あっ、もちろん、iDeCoの制度も長いですよ。

(2020年税制大綱によれば)

会社員の人は
厚生年金保険料を払い続ける状況なら、
65歳になるまでiDeCoに継続加入することができるようになりそうです。

 



前述のように『所得控除』のメリットは大きく、
また運用の途上でファンドを解約しても
課税は繰り延べられます。

が、問題は・・?

 

その『受け取り時』にあるのです。

 

(注:今、56歳とか58歳の人は
以下気にする必要はありませんよ。)

 

 

 



今年40歳のあなたが
iDeCoでの受給が65歳から始まるとすると、

それは『25年後』です。

iDeCoの潜在リスクとはいったい何なのでしょう?

それは今から25年後の
退職所得控除、公的年金等控除の『大きさ』が読み切れないという点にあるのです。

 


控えめに言って、
25年後の国の財政事情が
今より良くなっているとは考えにくいです。



個人のお金事情と同じで、
国は財政をなんとかやりくりするために、

税負担、社会保険料の増大とともに、
各種控除の『縮小』という手段を
当然のごとく取ってくる可能性が高いのではないでしょうか。




「一時金」で受け取るにしろ、
「年金形式」で受け取るにしろ、

退職所得控除、
公的年金等控除の『大きさ』が縮小していけば、
(※ すでに退職所得控除縮小の議論は始まっている模様。)

それはiDeCoの『受取総額』に対して
より大きな課税が発生するということに他なりません。

 

まさに出口のところが、
つみたてNISAとiDeCoが大きく異なる点なのです。

(そしてこのiDeCoの潜在リスクは、
若い人ほど大きくなると考えます。)

 

 

 

iDeCo、つみたてNISAの『キャラ』を分析すると、

つみたてNISA・・最初ずっと忍耐、最後にハッピー。
iDeCo・・運用途上はずっとハッピー、でも最後に?

という形になると思われます。

 


なお、誤解がないように申し添えると、
iDeCoの出口時点における「不透明さ」を十分上回って、
所得控除による「節税メリット」は大きいのですよ。

つまりiDeCoも、
「やったほうが良い」という当クリニックの考えに変わりはありません。

 

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