バランスファンド

バランスファンドは意外と世界標準かも?

2020年2月17日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

資産運用の先進国として
何かと話題に上るアメリカですが、

なにも昔から投資が盛んだったわけではありません。

1950年当時、米国の人口のうち
たった4.2%程度しか
株式市場には参加していませんでした。

そのほとんどは直接「個別株」に投資し、
平均的な個人投資家は
2銘柄程度を保有するのみだったのです。

〇 Vanguard Blog『Why I love mutual funds』より。


アメリカ人のお金の行く先を
大きく変えるきっかけとなったのが、
1970年代に登場した401kプラン、

日本でいうところの、
『確定拠出年金制度』です。

 

実に多くの人が
401kプランを通じて「はじめて」投資と出会っているのです。

 

しかしなにぶん「はじめて」のことですから、
投資の詳細やリスクの意味合いをいろいろ言われても、
隅から隅まで理解するのはけっこう大変なこと。

たとえば、401kプランで
自分で「金融商品」を選んでいない
加入者の掛金の預け先は、一体どうなるのか?

米国では多くの場合、
バランスファンド」を買い付けることになります。

確定拠出年金において、
加入者が自身で金融商品を選択しない場合に
自動的に買い付けられる金融商品のことを、
『デフォルト商品』と云います。

米国の401kプランでは、
この『デフォルト商品』を
バランスファンドとしているケースが多いのです。

 

 


これはある意味、理に適っています・・。

確定拠出年金も、
私的な資産形成の器ですから、

投資に回しておかないと、
資産の実質価値が減ってしまう恐れがあります。

また加入者にしても、
世界中の株式、債券をブレンドした商品なら、

絞り込んだ投資対象を
選んでいるわけではないので、
抵抗感が少ないと思われます。


実は近年、
日本の確定拠出年金においても、

この『デフォルト商品』を
バランスファンドにしようという動きが出ています。

日本では
指定運用方法』と呼ぶのですが、

確定拠出年金の加入者が
掛金の配分を指定しない場合(自ら金融商品を選ばない場合)に、
組み入れられる商品のことを指します。

 

たとえば、楽天証券(iDeCo)では
「楽天・インデックス・バランス(DC年金)」が
『デフォルト商品』となっています。

野村のiDeCo(野村證券)では、

指定運用方法」として
加入者の生年月日に応じて、

ターゲットイヤー型のバランスファンド
「マイターゲット」の各コースが、
以下のように購入されることになります。




画像元:野村のiDeCo


もちろん『デフォルト商品』といっても、
あとから他の商品に移し替えるのは加入者の自由です。

また別の例ですが、

オーストラリアには
「スーパーアニュエーション」と呼ばれる
確定拠出年金制度があります。

野村資本市場研究所の
『オーストラリアのスーパーアニュエーション』という
レポートによると、

同制度の資産の4割強が、
加入者が選択しない場合の投資先である

デフォルトファンド(バランス型ファンドが中心)
運用されているのだそう。


投資に限らず、
人はなかなか商品を
自分では選びきれないものです。

また、ある種の『強制力』がないと、
「投資」という経験を積むのは難しい面があります。


バランスファンドは
やみくもにリターンを狙うより
リスクを抑える(分散する)ことに重きを置いている道具です。

したがって、
私的年金制度が「バランスファンド」をデフォルトとして、
投資の入口を整備しているのは良いことだとわたしは思います。



このように見てきますと、
世界のあちこちで、「フツーの生活者」が、
バランスファンドを用いて
つみたて投資をしている姿が浮かび上がってきます。

〇 それを買っている人も、
〇 また道具そのもの(バランスファンド)も、
正直、地味で目立たない存在です。

しかし、
株式市場でも債券市場でも、

小さなお金が無数に集積した、
小さな名もない運用者たちの「影響力」が
年々大きくなっているのです。

その人数は、
おそらく「億(おく)」を超えているでしょう。

あなたが思う以上に
地味なコツコツ投資の仲間は多いのですよ。

〇 参照記事 モーニングスター
DC専用ファンド(2020年1月)、バランス型に1,000億円を超える資金流入


カテゴリ:バランスファンド

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