投資の発想法

レイ・ダリオさんの華麗なる失敗について

2020年2月8日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。 

以下の動画を観ていただくと分かりますが、
レイ・ダリオさんは一見、
人の良さそうな大学教授のような風貌です。




『最良のアイデアが採用される会社の作り方』

日本語字幕あり)

ダリオさんは資産運用業界ではたいへん著名な方です。

世界最大のヘッジファンド、
ブリッジウォーター・アソシエーツ」のトップとして知られています。

こんな本も書かれていますよ。



ところが、氏は華麗なる失敗も経験しています。

ほがらかな表情を浮かべながら、

「わたしは「ブリッジウォーター」を立ち上げてから8年後、
人生最大の失敗を経験しました。」


と語っているのです。


ダリオさんは1970年後半ごろから、
大恐慌以来の最大の債務危機が訪れると考えていました。

なぜなら、アメリカの銀行は明らかに
新興国向けにお金を貸し過ぎていたためです。

債務危機から経済危機に陥って、
当面、株式市場は低迷が続くとダリオさんは読んだのです。

(実際、1982年になるとメキシコが財政破たんし、
幾つかの国もそれに続きます。)


ダリオさんが予想していたことがまさに現実となったため、
1982年当時、氏は米国連邦議会に呼ばれたり、
テレビ番組でインタビューを受けたりしていました。

上記の動画では、
その様子(これも動画)をわざわざ映し出して、

 

「なんて思い上がった奴だ!」

 

自分で自分をいじっているダリオさんがいます(笑)


 

1980年代前半、
アメリカでは実際に債務危機が起こりましたが、
ダリオさんの予想に反して、マーケットは上昇しました。

ダリオさんは莫大な資産を失います。
自身も、クライアントのお金も。

従業員は大部分解雇するほかありませんでした。
ダリオさん本人も
父親からも借金をしなければならない状況でしたから。


ところが、動画の中でダリオさんは、

(これは)人生最大の失敗であると同時に、
人生最高の経験だったと明言しています。

 

意思決定の仕方を根本から変える「きっかけ」となったからです。

ダリオさんは言います。

「自分が正しい」と考えるより、

「どうしてわたしは、
自分が正しいと云えるのか?」

「自分が正しいと云える根拠は?」
と思考するようになったそうです。


(動画内でも言っておられますが、)

自分と違う人の意見を聴くことで、
自分の意思決定へのプロセスが違ってくるのです。

 



動画はたった16分程度なのですが、
後半部分を占める
「Dot Collector」というアプリの紹介が圧巻です。

「ブリッジウォーター・アソシエーツ」では、

会議に出席するすべての人が
iPad上でこのアプリを使い、
会議上での社員をそれぞれが評価し合っているそうです。

【数字で1~10までで評価。同時にコメントも加えている。】

 

これが適切に機能するためには、

〇 悪いことや批判も率直に言えるカルチャーと、
〇 すべての情報を公開する透明性が求められます。


・違う人は違う意見を持っている。
・ひとりの人間をどう評価するかも
また(人によって)違っている。

何十何百通りの意見、互いの評価がデータ化され、
それが「ひとつの全体写真」のようにみなで共有されると、

 

 

上記のように

ひとつ上の次元に立って『会議』そのものを俯瞰することが出来るようになります。

 

そうすると(自分が)正しいと思う考えではなく、
最良と思えるアイデアを採用しよう・・という流れができる。

ダリオさんはそのような主旨のことを動画内で言われています。

だからこそ、
ブリッジウォーター・アソシエーツ」という運用会社は、
長きにわたって成功し続けてきたのだなと
わたしは合点がいった次第です。

資産運用するとは、
より高次なアイデアの創出に他ならないのです。


おまけ)

garboflashさんが、レイ・ダリオが提示している
オール・シーズンズ、いわゆる全天候型の
『黄金ポートフォリオ』を紹介されています。

レイ・ダリオの「黄金ポートフォリオ」について海外ETFを使って検証してみた



 


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