インデックス投資全般

日本株にサヨナラ、世界株にこんにちは。と言えるかどうか?MAXIS全世界株式(オール・カントリー)ETFについて

2020年1月22日

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

1月9日、
ひとつのETFが東京証券取引所に上場しました。

「MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信」
銘柄コードは2559です。

これまで国内市場に
「全世界株式のETF」は存在していなかったので画期的と云えるでしょう。

 

なお、当該ETFを構成する
日本株のマザーファド、
先進国株のマザーファンド、新興国株のマザーファンドは、
投資信託である eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と同じです。

つまり?

つまり、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のETF版ということですね。

 


特徴がいくつかありますので挙げていきましょう。

 

 

 

 

1.画期的な低コスト

 

当該ETFの運用管理費用は税込でナント 0.0858%!
eMAXIS Slimオール・カントリーよりも低く設定されており、
おそらく米国上場のバンガード全世界株式ETF(VT)を意識しているのでしょう。

 

 

2.投資信託等の二重課税調整制度の対象となりそう

 

日本取引所グループのサイト(PDF)にも、
「投資信託等の二重課税調整制度の対象となる可能性の高いETF・REIT」として明記されています。

 

 

この、二重課税調整っていったい何なの?

 

はい。
これまで海外上場のETF等については、
外国税額控除を受けることで、

配当、分配金の二重課税の問題は
ある程度解消することができました。

 

しかし、分配金を出す国内設定の投資信託や
国内上場のETFにはその手段がなかったのです。

 

 

 


「それでは不公平だろう・・」ということで今年(2020年)から、

分配金を出す国内設定の投資信託や、
国内上場のETF、REITなどの
外国での徴税分が自動的に調整されるようになります。

 

3.日本人にとって新しい「投資概念」

 

日本の証券取引所にとって主要な「商品」とは?
もちろん日本株式(個別株)です。

2001年に日本にETFが登場した際、
このツールによって
日本人のグローバル投資が促進されるという期待がありました。


わたしは長年日本のETFマーケットをウォッチしていますが、上記の期待はむなしく萎んでしまっています・・。

 

市場規模から云うと
国内上場のETFのほとんどは
『日本株』で占められているのです。

 

 

MAXISオール・カントリー(2559)は
日本を含む先進国23ヵ国、新興国26ヵ国に投資を行うビークルであり、

 

「日本株への投資は7%台のいっぽう、
ほとんどすべてを海の向こうの株式会社の保有に充てる」というコンセプトを持ちます。



 

 

ご承知の通り、
こんにち東京証券取引所の売買代金の約6割は、外国人投資家によって占められています。



この方々はETFを買う場合(特に外国株式ETFの場合、)
わざわざ日本の取引所で買わなくても
流動性の高い米国市場で購入が可能です。

ですので、
頼みの綱は日本の個人投資家ということになります。

しかしながら、どうもこの方々も
『日本株信仰』が強いといった印象です。

 

そして何より、
レバレッジ型ETF、インバース型のETF等が
ETFの花形として君臨してしまっているのが問題です。

(短期のトレードとしては面白いのでしょうが。)

 



今回上場した
MAXIS全世界株式オール・カントリー(2559)は

国内の取引所に慣れ親しんだ投資家が、
『日本株にサヨナラ、世界株にこんにちは。』と言えるかどうかの 試金石となるでしょう。

以下、2559の上場来の売買高です。
(まだ盛り上がりには欠けるようですね・・)

 





画像元:ヤフーファイナンス

 

 

カテゴリ:インデックス投資全般

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