金融機関にモノ申す

目に見えにくい「手数料」の取られ方(手数料ハンターはあなたが思うよりずっと手ごわいのです)

2020年1月13日


こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

去年の10月、
SBIホールディングスが
株式の取引手数料を今後3年でゼロにする構想を打ち出しました。

これを機に昨年末にかけネット証券各社は、
株式の売買委託手数料の限定的な無料化を始めたのです。

この『流れ』は間違いなく、
恒久的な株式の「取引手数料・無料化」へと進むでしょう。

ところで上記に対して私たちは
「ヤッター!」と素直に喜んでよいのでしょうか?


ちょっと別のケースを拾ってみます。

「LINE証券」で個別株を売買する際、
そもそも別途「取引手数料」を取られることはありません。

えっ!?

でも、これは
売買にかかる手数料が『ゼロ』になったという意味ではないのです。

 




LINE証券サイト
「よくあるご質問」のところをご覧いただくと・・。

株式・ETF取引の手数料はいくらですか?

取引手数料は無料です。
ただし、当社が提示する価格は
基準価格に取引コストとして、
スプレッド(差額)を乗せる方式としています。


スプレッドを乗せる?

なんだか分かりにくいですね。


そもそも、
株の売買手数料とは、
外付け』のコストの呼び名です。

具体例)

あなたはサイバーダインの株式を
1株580円で100株分買いました。

あるネット証券を通じてめでたく約定したのですが、
取引価格は581円になっていました。

この場合、外付けで売買手数料はかかっていません。

しかし、581円のうち1円は、
証券会社が乗せたスプレッド(差額)であり、
これが、証券会社が得られる手数料というイメージなのです。

 

そう、
あなた側から見ると、
取引価格の中に(手数料が)含まれるカタチとなります。


「えー、なんか分かりにくいなあ」と思われるかもしれませんが、
この、
『取引価格の中にコストが含まれるケース』は身近にあります。

それは・・債券です。

債券という資産の売り買いには、
外付けの『取引手数料』というものはそもそも存在しません。


たとえば債券の発行元から、
卸し会社(証券会社)に債券という商品が納品され、
その後、エンドのユーザー(個人投資家)に販売される際には、

スプレッド(差額)が乗せられていると考えるのが無難でしょう。 

あなたやわたしには、南アフリカランド建て債券(7年満期)
「利回り 7.9%」などと提示され売られますが、 

証券会社(問屋)の仕入れ値はもう少し安く、
たとえば利回りは 8.1%であったりします(あくまで一例です)


いっぽう、投資信託でも
購入時の手数料が大勢では撤廃されていく方向です。

それ自体はよいことですが、
しかし、こちらも注意が必要でしょう。

たとえば、米国の投資信託では
「12b-1 Fee」と呼ばれる手数料が存在します。

これは一般に、
ファンドの運用以外の手数料、

販売(セールス)時のマーケティング、
プロモート、投資家へのサービス費用と解されます。
(それでもよく分かりませんが・・(-_-;)


ウォール・ストリート・ジャーナルのこちらの記事を読むと、
米国のミューチュアルファンド業界の慣習が見えてきます。

(ただし、上記記事は2010年時点のものであり、
今は古き慣習は薄れている可能性もあります)

同記事によると、
あなたがたとえばワンストップ型のネット証券から
購入時手数料ゼロでファンドを購入したとしても、

その裏側では、ファンド(運用会社)からネット証券に 
年0.4%程度の手数料が支払われているとしています。

運用会社はそのいくばくかを取り戻すために、
年0.25%程度「12b-1 Fee」を課すとしています。


今後、日本で投信の購入時手数料「ゼロ」が浸透すれば、
逆に目に見えにくいところで、
別途のコストを課そうという動きが出てくるかもしれません。

この業界の『手数料ハンター』は、
コストを創造することに関しては長年のノウハウがあるため、
私たちは用心するに越したことはないのです。 


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