ポートフォリオ運用

景気減速局面で有効な投資戦略?それってホントにあるの?

2020年1月8日


こんにちは。
投資信託クリニック代表の カン・チュンド です。

仮に、の話です。

仮に、アメリカ株式市場が調整入りし、
現在のダウ平均から10%~20%程度下落したとしましょう。
(日本株式も同様。)

あなたの株式ファンドの評価額も下がってしまい、
トータルのリターンも下がって

気分的には「このままでいいのかしら?」
という心境になるかもしれません。


すると、

メディア的には
『景気減速局面で有効な投資戦略は〇〇です!』
みたいなコンテンツが脚光を浴びることになります。


金・貴金属をはじめとしたコモディティーを増やす?
いったん株式ファンドは売却し、
市場から撤退して、安全資産に待機しておく?


わたしは資産運用というフィールドに関わって長いですが、

実は平穏なときも、
マーケットが嵐の中にいるときも、じっと動かないで、
同じように構えていればよい。

そういう『考え方』があることを知って、
とても安堵したのを昨日のことのように覚えています。

平穏なときも、
マーケットが嵐の中にいるときも、
じっと動かないで、同じように構えている。

これこそが、ポートフォリオ運用です。


自分の型(かた)、資産配分を持ってそれを保ちましょう。

文章にすれば↑たった「一行」で済んでしまいます。

ではなぜ、
『景気後退局面』で株式を売却したり、
金(ゴールド)を買うことをお勧めしないのか?

それらは『後追い行動』につながる可能性が高いためです。


理想的には、
市場が下がってしまう前、
ずいぶん高いときにうまく売り抜け、

市場が上がる前、まだ真っ暗で
ずっと低迷しているときにどっさり買うことができれば、
みんなハッピーでしょう。


ところが、私たちはそれがなかなか出来ません。

実際、まだ真っ暗で
マーケットがずっと低迷しているときに私たちは到底買えず、
市場を見ないフリをします。

また、
尖塔のようにマーケットが鋭角で上がっているときは
しばしば熱狂してしまいます。
(割り切って売ったりも出来ません。)


私たちの先人は、このような人間の感情を知り尽くしたうえで、
『ポートフォリオ運用』という手法を発明したわけです。

 

要注意は、今、目の前で起きていることを前提に、
次の【行動】を取ってしまうと、
投資ではしばしば命取りになってしまうということ。

 

たとえば先ほどの

『景気後退局面』で株式を売却するとは、
価格が下がったモノを売って、損失を確定させることです。

その乗り換え先の、
たとえば金(ゴールド)が
あなたの思惑通りに上がっていくとは限りません。


『ポートフォリオ運用』は、
複数のファンドを組み合わせて自分で管理する場合も、

バランスファンドで委ねて運用を行う場合も、
理屈はまったく同じです。

全天候型、なのです。


マーケットが快晴のときも、
嵐の中にいるときも、
ひたすら自分の型、資産配分にこだわって
それを維持していく。

 



それも、
各投資対象が順調に上がり続けるのを前提に
ポートフォリオを組むのではなく、

 

「たとえ何年も下がり続けても大丈夫よ!」
という前提で
(つまりは『余裕』を持って)
ポートフォリオを組むことが大切なのです。


まさに今、このようなときだからこそ、

「わたしの投資の配分って、
これってホントにわたしに合っているのかしら?」
を、

半日くらいかけて真剣に考える価値がありそうです。


ざっくり『株式60、債券40のポートフォリオ』なら、
景気低迷期は
株式50、債券50のように資産配分がズレてしまい、

債券を10売って、株式を60に戻すという
メンテナンス作業(リ・バランス)が発生します。

→ これは安くなった株式を買い増しするということ。


逆に景気の沸騰期に
株式75、債券25のように資産配分がズレると、

株式を15売って、債券を40に戻すという
メンテナンス作業(リ・バランス)が必要になってきます。

→ これは高くなった株式を売るということですね。

 

このように「リ・バランス」とは定期的に高くなったものを売り、安くなったものを買い増す作業に過ぎないのです。

 

そう、あなたに必要なものは?

『景気減速局面で有効な投資戦略〇〇』を実行することではなく、
全天候型の「ポートフォリオ」の管理なのです。


ちょっとだけ専門用語が多いですが、

ロボアドバイザー運用(投資一任契約)を行っている
ウェルスナビの下記レポートはとても示唆に富んでいますよ。
【WealthNavi の資産運用アルゴリズム】


運用期間中に
リスク許容度の設定を変更することも可能ですが、


お客様の経済状況の変化などに応じて
年に1回程度の見直し(再診断)を行う以外は、
基本的に変更しないことを推奨しています。

相場の動向などに応じた
頻繁なリスク許容度の設定変更(配分比率の変更)は、
かえってパフォーマンスの低下につながる可能性もありお勧めできません。


カテゴリ:ポートフォリオ運用

おすすめの記事