ポートフォリオ運用

人はどうして全体最適(資産管理)が苦手なの?(リ・バランスは二度訪れる・・)

2019年12月1日

こんにちは。
投資信託クリニック代表の カン・チュンド です。

壮大なストーリーを内包する映画も、
たとえば冒頭で、

小さな街の片隅の
ふつうの市民の『些細な出来事』を挿入したりします。

「細部」(ディテール)を描くことで
「全体」に結びつけようとする手法ですね。

 

 

資産運用でも、
・具体的な金融商品
・直近のパフォーマンスの話
・具体的な購入、解約の話のほうが、
人の心を惹きつけます。

 

「細部」(ディテール)は感情移入がしやすいためです。

 


では、
<貯蓄と投資の「割合」を決めることの考察。>
なんてどうですか?

(><)

どうも面白みに欠けます(笑)

人は『全体最適』の話には
あまり興味を示さないのです・・。


しかしながら、
わたしはこの仕事を20年近く続けてきて、

資産運用では「細部」よりも
大局(全体像)』のほうが何倍も大切!と断言できます。

 

 

そう、虫の目ではなく、鳥の目が重要なのです。

 

たとえば、
貯蓄と投資の「割合」をざっくり決めること。

これほど大切なことはありません。

なぜなら、貴方がこれから先、
どれだけのリスク(荷物)を背負うかを決める「物差し」となるためです。

 

 

あのー、今なんとなく
自分の500万円の
貯蓄と投資の「割合」を思い浮かべましたか?

これ、まとまったお金(ストック)のほうですね。

 

しかし、
貯蓄と投資の「割合」とは
1.まとまったお金(ストック)
2.毎月のお金(フロー)
両方で存在するのです。←ここ、重要!

 

 

たとえるなら、ちょうど贈答品コーナーの

大きなお皿(ストック)と
小さなお皿(フロー)のようなもの。

 



あなたの「まとまったお金」500万円を
貯蓄:投資 = 4:6 に割り振るとしたら、

毎月のお金については?
どうしますか?

 

鳥の目で見れば、

こちらも
貯蓄:投資 = 4:6 に振り分ければよいのです。

そうしないと、
まとまったお金のほうで4:6を維持していけませんし。


しかしながら、
ストックとフロー双方で、
貯蓄:投資 = 4:6 をキープしたとしても、

 

持っている「投資信託」や「資産配分の型」が、
『まとまったお金』と
『毎月のお金』で違っていたら?

 

大皿と小皿で
違ったデザイン】になってしまいます(-_-;)


つまり、
全体最適(資産管理)のルールとってもシンプルで、

 

貯蓄と投資の「割合」を
1.まとまったお金と
毎月のお金で『揃えてあげる。』かつ、
2.まとまったお金
毎月のお金とも、
『同じ投資信託』で『同じ配分』とする。

 

以上、なのです。


こうすればスッキリしますよね?
次にまいりますよ!

仮に、貯蓄:投資 = 4:6 としても、

私たちはふつう『リ・バランス』を
〇 投資の中だけでイメージします。

 

 

具体的には、
投資(6割)の中の、
投資信託の組み合わせ(配分比率)を見て、
そこにズレが生じていれば、
バランスを元に戻す(リ・バランスする)わけです。

 


ここで一度『深呼吸』・・・。

 


じゃあ、
「貯蓄」と「投資」の割合については?

仮に投資信託の中で
きれいに『リ・バランス』をしても、

投資信託(投資)が膨らんで、
その結果、
トータル資産に占める「貯蓄の割合」が減った場合、

もうひとつのリ・バランス】はしなくて良いのでしょうか?

 

えっ、もうひとつのリ・バランス!?

 

 

【具体例】

 

30代のあなたは、
1.まとまったお金
2.毎月のお金とも、
貯蓄:投資 = 4:6 でやってきました。
しかし、資産形成が順調に推移し、
43歳になって振り返ってみると、
いつの間にか
貯蓄:投資 = 3:7 になっていた。

 

(※ ストックベースでのお話ですよ。
毎月のお金はずっと「4:6」のまま・・)

 

こういうのってよくあることです。

そして上記は「資産形成世代」にとっては
ある意味、自然な姿でしょう。


しかしながら、
椅子から立つときに、
無意識に「よいしょ」と言い始める50代・・

もう少し時間が経って、
具体的に仕事を辞めたあとのことを
意識し始める50代後半にはもう、

 

〇 セカンドライフにおける、
貯蓄:投資 = の『最適割合』を探し始めるべきでしょう。

 

 

 

 

ここ、よーく考えてみてください。

 

仮に、貯蓄:投資 = 5:5 を
セカンドライフの資産配分(骨太方針)とします。

 

リタイアを迎えたらもう、
「毎月のお金」からの積立てはないわけです。

そうすると、
投資(投資信託)の中だけで
『リ・バランス』を行った場合、

あなたは仕事の半分しか行っていないことになります。

 

なぜなら、
鳥の目で「資産全体」を見渡した場合、

貯蓄:投資 = 4:6 になったり、
貯蓄:投資 = 6.5:3.5 に変わったりするためです。

ココ、伝わっていますね。


セカンドライフで肝要なことは、

同じリスク量(荷物)を背負い続けながら、
定期的な「取り崩し」を続けることです。

 

 

もし、あなたが投資信託の組み合わせで
「投資」部分を構成しているなら(リタイア後は、)
1.投資信託のリ・バランス と、
2.貯蓄:投資のリ・バランスと、
3.貯蓄、投資信託、双方からの取り崩し
これら3つの作業を、
最低年に1回行う必要があります。

 

これこそ『全体最適』(資産管理)の考え方なのです。

 


最後に、わたしが定年退職後に向けて
「バランスファンド」をお勧めする理由は、

1.の投資信託のリ・バランスを省くことが出来るためですよ。



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