投資とふたつのP
2025年5月26日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
ふつう投資を続ける際には
物理的な「時間の長さ」をイメージします。
いわく、
5年続けられれば
「長期の投資」って言えるんじゃない?
とか。
いや、10年だよ。
とか。
しかし、よくよく考えてみますと、
物理的な時間は、
私たちの身体的、感覚的な『時間の帯』を映し出すわけではありません。
当り前ですが、暮らしでは
「時間」が主人公になることなど
ほとんどないわけです。
生活の主人公は「あなた」であり、
あなたが織りなす『行為』そのものですから・・。
そういう意味合いで、
投資という(行いの)時間を比喩させるためには、
何か具体的な行為、
それも継続的な行いと
並列させたほうが良さそうです。
むかし「投資と2つのP」というタイトルの
英語のコラムを読んだことがあります。
ふたつのPとは・・?
Plant(植物)と
Pet(ペット)です。
あなたが植物を育て、
あるいは
ペットを飼ってそれを育てることが
「投資」の疑似体験になる・・?
はい、YESだと思います。
ためしに
室内で小さな観葉植物を育ててみましょう。
またお庭がある人は
プチ菜園を始めるのもよいでしょう。
明日、種を蒔くとします。
ほんとうに数週間後には芽が出て、
数ヶ月後には茎が伸びて
そして花が咲いて、
半年後(1年後)に実がなるなんて、とても興味深いですね。
でも、最初から上手く行くとは限りません。
あなたはちゃんと世話をしてあげたつもりでも、
水のやりすぎで逆に上手く育たなかった・・
外で育てている苗なら
暴雨(暴風)でダメになってしまった・・
アクシデントは付き物です。
でも失敗したら、
(それを『教訓』としながら)
またトライすればよいわけです。
我が家はトマトを何度か育てたことがあるのですが、どうも「実」が(思ったより)大きくなりません。
まだまだ試行錯誤です。
何年くらいかかるのか・・・という心情は、
まさに、
満足のいく成績に辿り着くまで、
何年くらいかかるのか・・・という
『お金を育てる』ことと似通っています。
なにごとも「時間」がかかるのです。
あなたもわたしも、
実はこの、
なにごとも「時間」がかかるのです。
という点を、
しばしば忘れかけます。
なぜなら、
世の中全体が
効率的に、かつ便利になりすぎているためです。
今、この瞬間から1時間
スマホを観ないであなたは過ごせますか?
これは(あなたが思う以上に)困難なこと。
超小型の情報装置の、
私たちは奴隷になってしまっており、
こと細かに(デジタルディバイス上で)都度『作業』をしてしまうため、短い時間を刻んでいくことに慣れてしまっているわけです。
長い時間の帯を忘れかけている・・・。
考えてみますと、
人間は電気も水道も通っていなかった時代から、
植物(作物)を育て、
犬や猫や馬とともに生きてきました。
2つのPを(たまに)思い出してみてください。
きっとあなたの長期投資に役立つはずです。
カテゴリ:投資の発想法