インデックス投資全般

日本株+先進国株+新興国株より、全世界株式のほうが投資を続けやすい理由

2025年5月24日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

あなたはこれまで、
『日株20%、先進国株60%、新興国株20%』という「アセットアロケーション」を定めて運用を続けてきました。

 

上記はあなたにとって
投資の基本方針であり、
初期の頃は年に1度の『リ・バランス』も欠かさず行っていました。

 

しかし最近は、運用資産額が1000万円を超え、

ノーセルセル(=割合が低下した投資対象のみを買い増しする)の『リ・バランス』が、資金的に困難になってきています。

 

加えて、昨今は世界経済の枠組みの大変化の予兆もあり、果たして今の「アセットアロケーション」(資産配分)で良いのか?という疑念も湧きつつあるのです。

 

自分で「資産配分」を決めるということは、
自分で『資産配分』を変えられる。ということでもあります。

 

 

 

 

 

自身で決めてコントロールする事ですから、

時には(配分を)「変えてみようかな。」
「いや、変えたほうがいいのかな・・」という、「悩みのタネ」の源泉にもなりかねません。

 

たとえば一例ですが、米国株式が絶好調だった頃は、

『もっと先進国株の割合を増やすべきでは?』
と迷ったかもしれません。

 

日経平均株価がはじめて4万円を超えたときは、

『日本株の割合を少し増やそうか?』という考えが頭の隅をよぎったかもしれません。

 

はたまた今年の4月のトランプ関税ショックを目の当たりにすると、

逆に『先進国株の割合をちょっと減らそうか?』という誘惑も生まれる可能性があります。

 

 

 

 

 

ちょっとだけ昔ばなしです。

2005年に内藤忍さんが『資産設計塾』という本を出されて、

個人投資家にはじめて
「アセットアロケーション」という概念が紹介されました。

が、その時は『全世界株式インデックスファンド』はなかったわけです。


米国の全世界株式ETF(VT)が
楽天証券で購入できるようになったのは2009年になってから。

 

そのVTを内包した
「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」が設定されたのは2017年のことです。

考えてみますと・・、

『全世界株式型のインデックスファンド』が本格的に登場し始めて8年位しか経っていません。

 

 

 

 

 

わたしは、
『日本株』という器、『先進国株』という器、『新興国株』という器をそれぞれ用意して、その比率を自己決定するよりも、

『全世界株式』という器ひとつだけを準備するほうが効果的だと思います。

 

『全世界株式インデックス』のルールはシンプルです。

 

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(指数)という「おおきな箱」に入れられた「約2600社の株式」があなたが保有するリスク資産となります(4月末現在。ファクトシートはこちら

 

もちろん内訳を見れば、
日本、先進国、新興国の47ヵ国に保有株式は跨りますが、

 

 

『全世界株式』はシンプルに約2600社の株式を、個々の株式の大きさの比率に従って保有する「大きなパッケージ」なのです。

 

これはもう単純に「世界株式の、たった今の勢力図」を持つということに他なりません。

 

 

 

 


たとえば新興国の株価が(先進国株と比して)大きく下落すれば、(全世界株式内の)新興国株の『比率』は自然に下がり、

また逆に、たとえばドイツの株式の価格が(他の株式より)際立って上昇すれば、結果として(全世界株式内の)ドイツ株式の『割合』が増すことになります。

 


どこの国の、

どこの株式が上がろうと下がろうと、

日々自動調整機能が働き、『世界株式の現状の勢力図』を逐一、縮小コピーしてくれるわけです。

 

全世界株式インデックスを保有すれば、アセットアロケーションで悩むことはなくなります。

『全世界株式インデックス』そのものが、日々変化するアセットアロケーションなのです。

個人投資家は(もっと)ラクをしてよいのでは・・・。

 

それに、自分で定めた資産配分を、
雑音や騒音に惑わされずに維持し続けるには『鋼のメンタル』が必要です。

 

 

 

 

株式市場(世界)全体として成長が続いていけば・・・、
〇 どこの国がもっとも伸びるのか(伸びないのか)、
〇 どの株式がもっとも上がるのか(下がるのか)を、別段正しく『言い当てる』必要はないわけです。

 

 

『全世界株式』という投資対象は決して簡略化ではありません。

投資の合理化の一手段なのです。

 

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