投資の発想法

フィクションのほうが安上がりで広まりやすい(米国債を売ったのは誰か?)

2025年4月28日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

突然ですが、
あなたは4月の第二週にかけて、

米国国債(10年もの)の利回りが急上昇した際、
『日本の農林中金が米国債を売ったからだ。』という説が、

SNS界隈で横行していたのを知っていますか?

 

「この人、いきなり何を言ってるの?」と
思われるかもしれません。

 

結論から言えば、

米国債の利回りが急上昇したのは、
日本の農林中金が米国債を売ったからだ。という説はフェイク(嘘)でした。

 

が、

嘘であるにも関わらず、
まるで真実のように詳細な言説が
SNS上に幾つも流れていたことに、私は少々ショックを受けています。

 

 

 

 

 

私たちは『情報』を受け取る際、
安易な、情緒的な判断をしてしまいがちです。

 

もう少し具体的にいうと、

 

その『情報』が、
「明快な物語的コンテンツ」であると、
それを受け入れてしまいやすい傾向にあるのです。

 

 

4月の第一週、
株式市場が『急落』したことは記憶に新しいところです。

次の第二週、今度は株式が『急騰』します。

これらみな、
トランプ大統領の気まぐれ?な言動の影響を受けています。

 

 

 

 

 

4月の第一週においては、
株価が『急落』したため、
投資資金が安全と目される米国国債に殺到し、

米国国債(10年もの)の利回りは低下しました。

 

 

ところが、第二週において、
株価は急騰したのに米国国債が売られ、
米国債(10年もの)の利回りが急上昇したのです。

 

(そこで)誰が米国債を売ったのか?という話に繋がります。

 

 

本日のタイトル、

 

“フィクションのほうが安上がりで広まりやすい”は、

 

歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏のことばです。

 

ハラリ氏のことばを逆説すると、

 

真実はそもそも複雑で、込み入っていて、
コストが高く、なかなか広まりにくい。となります。

 

 

 

 

 

私たちは投資家です。

 

投資家が『情報』と接する際、
投資判断が絡んできますので、
そこでは大事な「お金」が関わることになります。

 

最近わたしは、
『情報』という素材と向き合うとき、

6割がたは、
明らかにバイアスが入っている、
または嘘(フィクション)があり、

真実に近しい情報のほうが
(全情報の中で)比率が低い。と感じるようになっています。

 

これは既存の大手メディア勢力が衰退し、
SNSをはじめとしたデジタルメディアが主流になったためです。

 

おそらく、

この、
『情報』の玉石混交の度合いは、今後ますます大きくなっていくでしょう。

 

投資家にとっては難しい時代になったものです。

 

追記)

今の時点で、
米国債は誰が売ったのかという疑問に、
明晰に答えているコンテンツは以下だとわたしは思っています。

 

 

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