ふたつの世界(インデックス運用とアクティブ運用)
2025年4月24日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
どんな国にも「いちば」があります。
漢字で書けば市場。
英語で言えばMarket.
「いちば」の定義はシンプルです。
それを売り買いする人で賑わっている。”
株式の「いちば」は『株式市場』と呼ばれます。
・株式という商品があって
・それを売る人、買う人で賑わっている状態
頭の中で株式市場を思い浮かべると、
さて、
どこの国の、何社くらいの会社(銘柄)が浮かんできますか?
あなたはどの会社を買いますか。
いくらの株価で買うのでしょうか。
私たちが投資を実行する際、
まず気に掛けるのは
「いくらぐらい儲かるか?」ということです。
投資家がリターン(数字)にこだわるのは当然ですが、
どれくらい儲かるか?にばかり固執してしまうのは、
(もしかすると)
投資という物語の捉え方に原因があるのかもしれません。
<あなたは今から投資を実行します。>
その際、
自分(投資家)が投資における主人公であり、
うまく振る舞えば、
他者と比較して超過リターンを獲得できると感じる部分がありませんか。
気持ちが高揚し、
投資を冒険的行為と捉えると、
自身が負うリスクを客観視することが難しくなるかもしれません。
(実は)投資という物語にはもうひとつの捉え方があります。
それは、
自分(投資家)が主人公ではなく、
市場(マーケット)を主人公にする。という発想です。
1.投資家を主人公とし、投資家自らが「銘柄」を選ぶ方法
2.市場を主人公とし、投資家自らは「銘柄」を選ばない方法
2の、市場を主人公とし、
投資家自らは銘柄を選ばない方法を「インデックス運用」と呼びます。
インデックス運用では、
お金を出す張本人=投資家が、自ら銘柄を選びません。
インデックス運用は
市場全体に隈なく投資を行うため、
損益の数字が、市場(マーケット)のパフォーマンスと同じになります。
単純に考えてみましょう。
アメリカの株式市場の平均値として、
S&P500指数という目印があります。
あなたが仮に、
S&P500指数との連動を目指す「投資信託」を保有すれば、
あなたは個々の銘柄を選ぶことがありません。
理屈的には、
S&P500指数がプラス10%(マイナス10%)になれば、
あなたが保有するファンドも、プラス10%(マイナス10%)になります。
(※ここでは為替リスクは考慮しません)。
単純な世界です。
いっぽう、1の「投資家を主人公とし、投資家自らが銘柄を選ぶ方法」は「アクティブ運用」と呼ばれます。
投資家自身が個々の銘柄を取捨選択します。
あるいは、個々の銘柄をピックアップする
「アクティブ型の投資信託」にその行為を代行してもらいます。
これから価値が上がりそうな銘柄を見つけ、それを選ぶ、
「この銘柄を買って、あの銘柄を売るんだ」という、自律的選択を行うわけです。
これから長く投資と関わっていくなら、
『アクティブ運用』『インデックス運用』
「ふたつの世界」が存在することは知っておくべきでしょう。
私なりにキャッチフレーズを考えてみました。
2のインデックス運用・・平均を得る
あなたが今後、株式市場という「風景」を眺めるとき、
―その市場は、日本でも米国でもオーストラリアでも、先進国の株式市場でも、全世界の株式市場でも構いません。―
市場(いちば)の捉え方には、
2種類あると想像して欲しいのです。
それはまるで
多義的な見え方が出来る「ルビンの壺」の絵のような存在です。
「花瓶」が描かれているように見えるのか・・
それとも「ふたりの横顔」が向き合っているように見えるのか・・、
どちらの映り方をよしとするのかは
あなた次第なのです。
株式市場は
1612年にアムステルダムに証券の交易所が開設されて以来、400年以上の歴史を持ちますが、実はつい50年ほど前まで、
世の中には「1種類」の投資方法しかありませんでした。
市場を主人公とするインデックス運用が世の中に実装されて、まだ50年程しか経っていません。
どちらのタイプを希求するかは
人によって異なるでしょう。
しかし、一点強調したいのは、
個人が行う投資において
「選択肢」があるというのは素晴らしいことだということです。
アクティブ運用・・ロマンを求める
インデックス運用・・ 平均を得る
あなたはどちらを選びますか?
カテゴリ:インデックス投資全般