長期投資では、稲妻が輝く瞬間そして ナイフが落ちてくる瞬間、両方を経験します
2025年4月17日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
この問いに答えるのは簡単ではありません。
しかし、あえて解を提示すれば、
市場(マーケット)が上昇する際には、
まるで駆け上がるように、一気に、短期間で上がってしまうので、
その『瞬間』を逃さないために、
(ホントは下落相場に居続けるのはイヤだけれど、)
マーケットに留まり続ける
(=長期投資する)必要があるのです。
チャールズ・エリス氏の名著
『敗者のゲーム』では、
駆け上がるように
一気に上昇する市場のさまを、
稲妻が輝く瞬間 と形容しています。
市場に居合わせるためには?
同書から引用してみましょう。
S&P500指数のデータを使って
過去75年間という長期間分析した結果を見ると、
この間の株式リターンの大部分は、
上昇率のベスト60ヵ月間
(900ヵ月という長期間のわずか7%だが)に達成されているという。
なるほど・・。
夢の60ヵ月を逃さないために、
パッとしない残りの840ヵ月も(市場の中で)やり過ごす。ということですね。
ところで、
稲妻が輝く瞬間の『反対』は?
痛そうです。
上例で云えば、
パッとしない840ヵ月の中で、
『ナイフが落ちてくる瞬間』というのは、それこそ過去何十回、何百回とあったわけです。
市場はたった一日で、
ドーンという衝撃とともに
4%、5%も下落することもあります。
あるいは、
アップダウンを繰り返しながら、
週単位で数%下落をし続け、
1年で振り返ってみると、
最高値から20%、30%落ちていたというケースもあります。
インデックス投資の弱点って・・・、
そのまま
丸ごと背負う ところ。
これから先、
これまでより酷い『ナイフ』が落ちてくる可能性もあります。
あるいは恐々待ち構えていたら、7ヵ月くらいしてドーンと下がり、その後突然、『稲妻』が輝くかもしれません。
他の投資商品に引っ越しをしますか?
大型バリュー株で「配当」狙いのスタイルに移行しますか?
株価が比較的堅持されているヨーロッパ株式ETFにシフトしますか?
それとも金(ゴールド)に移行しますか?
あなたが仮に「別の投資スタイル」に引っ越せば、
「山高ければ、谷深し。」が存在するに過ぎません。
残念ながら、あらゆる資産市場に存在する、不規則なアップダウンという情動を、誰もうまくコントロールすることは出来ないのです。
逆に、この名状しがたいダイナミズムを上手く活用するのが『つみたて投資』という投資実行法でしょう。
稲妻が輝く瞬間だけでなく、
ナイフが落ちてくる瞬間も経験するなんてイヤだ。
上記、お気持ちは重々わかりますが、それでは、長期投資における「大きな実り」というダイナミズムは獲得できそうにありません。
稲妻が輝く瞬間 + ナイフが落ちる瞬間 = 長期投資 なのです。
これまでも、これからも、上記事実は変わりません。
カテゴリ:インデックス投資全般