投資家の感情リスク

相場の『底』を見通そうとしても多分むずかしい

2025年4月11日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

株式市場が急変し出すと、

この極端な現象に対して
ついつい反応してしまう私たちがいます。

これは生物学的には、きわめて「真っ当なこと」です。

 

 

自然界で突発的な変化が起こった場合、
それに対してすぐさま行動する(反応する)ことで、私たちの祖先は生き延びてきたわけですから。

 

 

長期投資家は「理屈上」ではさんざん
『じっとして、動かないように』と説かれます。

 

が、これは
人間という生き物の「本能」に反することです。

 

だから「つらい」のです。

 

 

 

 

 

ところで、
株式市場が急変すると、

この先、
市場がどれくらい下がって、いつ頃『底』が訪れるのか、あなたは類推したくなります。

 

でも、
そう考えている時点で
(おそらく)Mr.マーケットには勝てないでしょう。

 

この先、市場がどれくらい下がって、いつ頃『底』になるのか?と、現に想像するあなたの脳内では、

 

 

 

 

こんなふうに ↑
わりと分かりやすく真っすぐ下がっていって、

 

そしていつか『底』になって、

それからまた、
分かりやすく上がっていく・・。

 

そんな『軌跡』を頭の中で思い描いていませんか?

 

 

残念ながら、
Mr.マーケットは
それほど分かりやすくはありません。

 

あくまで一例ですが、

2022年の1月から10月までの
米国『S&P500指数』のチャートをお見せしましょう。

 

 

 

 

画像元)Creative Planning

 

22年は
S&P500が「マイナス28%」にまで下がる局面がありました。

 

あなたが
2022年の1月はじめに、
現に米国株式市場の現場に『立っている』と想像してみてください。

 

 

画像元)Creative Planning

 

 

分からないですよね・・・

 

 

市場の『底』がいつなのかの予想が、いかに難しいかが分かります。

 

わたしはこのようなチャートを
(個人的に)Wの悲劇 と呼んでいます。

 

 

誤解がないように申し添えると、

わたしは何も、
『底』が来ないと言っているわけではありません。

 

『底』は必ず来ます。

 

ただ、
『底』に至るまでの、
株式市場の軌跡は誰にも分からないし、

『底』に至るまでに、
どのくらいの時間を要するかも分からないし、

『底』と『底の周辺』を
どのくらいの期間、這っているかも分からないし、

 

『底』と思っていたものが、
実は『二番底』に至る、

本底の前哨であるかも、しれないわけです。

 

もちろん、
この記事を書いている、25年4月11日、そして翌日の12日くらいが、『本底』である可能性も、今のところはあるわけです。

 

 

 

       本能                      理性

 

 

あなたが対峙する
株式市場(マーケット)の動き方は、結局のところ予想し切れない・・

これが真実ではないでしょうか。

 

 

“自分がコントロールできない事象を気にし過ぎるよりも、自分がコントロールできることに集中しましょう。”

 

 

すなわち、

・ファンドを売ってしまわない
・つみたて金額を変更してしまわない
・つみたて投資を止めない
・資産管理アプリを見ない

です。

 

大事なことなのでリピートします。

 

・ファンドを売ってしまわない
・つみたて金額を変更してしまわない
・つみたて投資を止めない
・資産管理アプリを見ない

です。

 

 

カテゴリ:投資家の感情リスク

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