『調整』と『弱気』と『暴落』の違いについて
2025年4月9日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
投資に必要なものは「地図」と「コンパス」です。
あなたが今どこに居て、
どこに向かおうとしているのか。
また、現状(今の状況)を
どう計測するのかはとても重要なことです。
答え)『弱気相場』です。
ここでは、
米国の「ダウ平均」という市場の平均値を使用します。
ダウ平均は2024年の12月4日に
直近の最高値45014ドル(終値ベース)を付けました。
米国時間4月8日の終値が
37645ドルですから、
まだ、マイナス17%弱です。
株式市場の下落を、
歴史時間では
何十回、何百回と経験していますが、
下落の大きさによって、
適切な『用語』を使い分ける必要があると考えます。
調整 correction
マイナス10%程度
弱気 bear market
マイナス20%程度
暴落 crash
マイナス30%程度
(いずれも直近の最高値からの『下落割合』です)
今、下落割合と記しましたが、
市場の下落の大きさは
パーセント(%)で把握することが大事です。
「ニュース番組」などでよく見かける、
1850ドルの暴落!(金額ベース)という情報にはあまり意味がありません。
ところで、
ダウ平均の下げ幅だけを見れば、
『調整』と『弱気』の間ですが、
すでに『弱気相場』(bear market)に入ったと云えるでしょう。
為替の差損がマイナスに加算されるためです。
※米国株式、先進国株式、全世界株式のインデックスファンド等に投資していると仮定。
あまり考えたくないことかもしれませんが、
調整 correction
マイナス10%程度
↓
弱気 bear market
マイナス20%程度
↓
暴落 crash
マイナス30%程度
下に行くに従って、
起こる『頻度』は少なくなります。
調整 correction
(マイナス10%程度)は2年に1回、
↓
弱気 bear market
(マイナス20%程度)は4年に1回、
↓
暴落 crash
(マイナス30%程度)は10年に1回程度起こるとされています。
そして、
起こる『頻度』が高い調整(マイナス10%程度)では?
元本回復までの「期間」も比較的短いです。
ところが、
弱気相場(マイナス20%程度)になると?
元本回復までの「期間」は半年、あるいは1年以上になることもあります。
元本回復までに相応の時間が必要になってきます。
仮に、ですが、そうなった場合、
私たち投資家には相当の『耐力』が求められます。
以下は、
S&P500指数ベース(ドル建て)のイメージですが、
・コロナショックは(例外的に)
6ヵ月で元本を回復
・リーマンショックは元本回復まで5年
・ITバブル崩壊では元本の回復まで7年を要した
さて、このような市場のクラッシュを、
個人投資家ベースでどう捉えるのか?
考えてもみてください。
この200年超、
仮に、
株式市場のパフォーマンスが
単純明快に、
ただただ綺麗な『右肩上がり』だったとしたら、
200年のイメージ ↑
結局のところ、
・なるだけ早く
・多くの資金を
・一括で投入できた
・資本家や富裕層の投資家が
・もっとも大きな利益を 得ていたわけです。
・一介の個人投資家には
・大きな利益を得るという「チャンス」は回ってこないわけで・・。
Mr.マーケット(株式市場)が時々、
思いがけず「大きく下がる」という現象は、
遅れて投資に参入してきた若い投資家に、大きな機会(チャンス)を与えてくれている、と解するべきではないでしょうか。
カテゴリ:投資家の感情リスク