投資家の感情リスク

安易な買い増しはお勧めしません

2025年4月8日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

連日、こうも鮮やかに「マーケット」が下げると、なんだか条件反射してしまいがちですが、

 

米国ダウ平均は直近の高値から『16%ほど』マイナスになっただけです。

 


これは健常な人(株式市場)が2、3回大きなくしゃみをして、「あれ? ちょっと風邪気味かな?」と呟くようなものです。

 

 

 



 

今回の『トランプショック』の本質は関税問題であり、
個々の国との交渉余地はあるにせよ、

トランプ政権が政策を全面的に変更しない限り、貿易という商行為に「負荷」(税の上乗せ)が掛かり続けるわけです。

 

※そして関税上乗せによる負の効用は、まだ表れてもいません。

 

 

そう考えると、今の時点で「けっこう下がったから買い増ししようぜ!」という考え方は、ちょっと危険かもしれません。

 

 

 

 

私たちが株式市場の『急落』で
示す反応にはおおむね3つあります。

 

 

1.そわそわして売りたくなる
2.そわそわして買い増ししたくなる
3.いろいろあるけど動けなくてじっとしている

結論からいうと、
今のところ3.が正解です。



不安に駆られて投資信託を売る必要もないですし、
「安くなっているから!」と
慌ててファンドを余計に買う必要もありません。


つみたて投資をしている人は、今までと同じように粛々と積立を続けてください。

 

人は劇的な「急落」を目撃すると、
「今こそ買いだ!」と、ちょっと英雄的に行動したくなるものです。
(そのお気持ち自体は重々分かるのですよ。)



そして、この種の衝動(思い)はむしろ、
投資家としては「誇るべきこと」かもしれません。

 

が、しかし、
この程度の『急落』で新たな買いを入れていくと、

仮に、
ほんとうに【暴落】が起こったときに
資金が枯渇してしまっている可能性が大です。

 

 

 


マーケット自身はセンチメント(感情、気分)というものを持ちます。

すなわち、市場は『トレンドの持続性』という特徴を持つのです。

 

 

「いったん上がってそれが勢いづけば、
それがしばらく続く。」

「いったん下がってそれが勢いづけば、
それがしばらく続く。」という特徴のことです。

 

 

 

とにかく、今は本格的な『買い増し・出動』の時期ではありません。

 

これまで何十回、何百回と起こっている事ですが、

『下落相場』の初期の段階では、

急激な株価下落が、
千載一遇のチャンス」のように思えてしまうものなのです。

 

 

これを見逃すなんて自分は居ないはずだと、

少しヒロイックに、
己の自負心をひっさげて、

勇気という名のトリガーを引いて、
果敢に買ってしまいたくなるのです。
※気分的には少しハイになっている感じ。

 



でも、ここはカフェオレでも飲んで、ちょっと冷静になりましょう。



 

 

 

「でも、でも、カンさん。
もしも暴落にまで至らなくて、

ココがほんとうの買い場だったらどうするんですか!

2020年のコロナショックの時はわずか6ヵ月で相場が回復してしまったんですよ!」

 


はい、その場合は・・、
「すぐに回復して良かったな」と思えばよいわけです。

 

今は・・ファンド売らない、

(つみたて)止めない、積立金額減らさない、落ち込まない。

これで十分です。

 

 

 

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