投資家の感情リスク

市場が急落すると、投資信託から資金が流出するふしぎ

2025年3月31日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

株式市場は
上下動付きの「乗り物」です。

なんびとも、この『上下動』から逃れることは出来ません。

 

投資はリスクを購入してリターンを求める行為なので、アップダウンと付き合い続けることがすなわち、投資を続けるということです。

 

 

 

 

 

ところで、

株式市場が調整局面、
あるいは急落局面に遭遇するたび、

多くの投資家が、
持ち続けてきた投資信託(含むETF)を一部、または全部売却してしまいます。

 

結果、投資信託から資金が流出するのです。

 

 

 

 

画像元)Creative Planning YouTube

 

上図は米国の投信、ETFの資金流出入のグラフですが、2022年を見てみましょう。

 

米国市場は大きく下がりましたが、

4月から12月にかけて、
コンスタントに
投資信託、ETFで資金流出が起こっています。


(金額ベースは下がったものの23年になっても資金流出は続きました)。

 

また、新型コロナウイルスが世界的に大流行し始めた2020年3月は、ファンド、ETFの資金流出が顕著でした。

 

 

 

画像元)Creative Planning YouTube

 

わたしは今日、記事のタイトルを
『市場が急落すると、投資信託から資金が流出するふしぎ』としましたが、

この『ふしぎ』
本当に不思議なものです。

 

 

・・・・・・

わたしも、あなたも個人投資家ですね。

しかし、個人投資家は
一人ひとり異なるバックグラウンド(背景)を持ちます。

所持する投資資金の額が違います。

 

年齢も違えば、
住んでいる場所も違い、
年収も毎月の支出額も異なります。

 

ただひとつ、共通項といいますか、『共通の目的』を持っています。

 

それは『利益を得ること』です。

 

投資とは
リスクを購入して
リターン(+)を求めることなので、

是が非でも「プラスの収益」を獲得しようとするわけです。

 

 

では、
プラスの収益を得るために
私たちは(具体的に)
投資商品をどのように扱えばよいのでしょうか?

 

 

例えば
株式インデックスファンドを

高い時に買って、
安い時にうる?

 

違います。

 

 

 

 

株式ファンドを

安い時に買って、
高い時に売るわけです。

 

これが、
投資における行動の『基本所作』です。

 

 

リスク資産を売るのは安い時ではなく、高い時です。

 

 

 

 

画像元)Creative Planning YouTube

 

2018年も、2020年も、2022年も、
株式市場が大きく下がって
調整、あるいは急落しましたが、

 

安い時に売ってしまう。
ということは、

投資の『基本所作』から外れてしまうということ。

 

大きな間違いなのです。

 

長年、運用相談の仕事をしていますが、効率的な資産形成の『方法論』そのものは、ほぼ出尽くしていると感じます。

 

正解の道は(すでに)方々で詳しく示されており、
その道を、
―つまりはきちんと理論づけられた道を―

外れないように、進めばよいわけです。

 

 

 

 

 

ただ、
進む本人(一個人投資家)と、
不規則に起こる市場の価格変動については、

第三者が「代わり」を務めることが出来ません。

 

あなたの「耐力」が問われるのです。

 

今週(3/31~4/4)ひとつの山を迎えるかもしれませんが、

とにかく心がけるべきことは、

 

「真面目に反応しない」

 

「動いてしまわない」

 

※ここで云う『動く』は、投資商品を売る、積立金額を減らす、積立を止める、衝動的に別の投資商品を買ってしまう等を指します。

 

 

「資産管理のアプリをタップしない」

 

「投資関連のSNSを見ない」

 

とにかく、
自分の脳内を、他の事象で埋めるように、心がけましょう。

 

 

 

仕事でも趣味でも、ご家族との時間でも、ゲームでも、アマプラでも、長い散歩でも、ジグソーパズルでも何でも構いません。

 

 

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