固定の市場全体ではなく、変化の市場全体を買うのがインデックス投資の本質です
2025年3月1日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
まずはXへの投稿から。
世の中って、変わらないように見えて変わるんです。
— カン・チュンド@インデックス投資アドバイザー🙋♂️ (@4649kang) February 27, 2025
『MSCI World 指数』の1989年10月時点の国別組入れ比率は 日本40.2%、アメリカ32.0%、イギリス7.6% でした。それが2025年1月時点では アメリカ73.6%、日本5.3%、イギリス3.5% となっています😮
『国別組み入れ比率』がこんなに変容するなんて驚きです。
数字の出所は、
日興リサーチセンター
『インデックス(指数)の隠れたリスク』~拡大するインデックス(パッシブ)運用~
そして、MSCI World index(factsheet)です。
ところで
MSCI World 指数(MSCIワールド・インデックス)は、
シンプルに、
「MSCIコクサイ指数」に「日本株式」を足したものです。
先進国株式指数(日本含む)
冒頭に1989年10月とありましたが、
今から36年近く前です。
当時、MSCI World指数は
日本を含む先進国『23カ国』の株式で構成されていました。
日本株式の『比率』が40%を超えて、
組入れ第1位だったということは、
画像元)日興リサーチセンター
『インデックス(指数)の隠れたリスク』~拡大するインデックス(パッシブ)運用~
信じられない~
という声が聴こえてきそうですが、「事実」なのです。
1989年から36年近いの歳月の中で、市場平均の中身はドラスティックに変容してきました。
たとえば『オルカン』を保有するあなたは、
MSCI全世界株式指数(MSCI ACWI指数)との連動を目指すわけですが、
このMSCI ACWI指数も当然、
中身はドラスティックに変容してきましたし、
これからもドラスティックに変わっていくことでしょう。
『オルカン』が連動を目指すMSCI ACWI指数は2025年1月末現在、アメリカが約66%、日本が約4.7%の組み入れ。
— カン・チュンド@インデックス投資アドバイザー🙋♂️ (@4649kang) February 19, 2025
ちなみに2009年6月末時点ではアメリカが約42%、日本の組み入れは約10%でした🙂#指数は生き物
30年、40年の年月の中で、
冷凍食品市場のシェアも変わります。
住宅メーカーの市場シェアも変貌するでしょう。
ココに、ひとつの銘柄(個別株式)を選び切る難しさがあります。
また同時に、一ヵ国の株式市場連動のインデックスファンドの限界もあります。
これからの36年、
どちらのほうが『変化』が大きいと思いますか?
と訊かれたら、
おそらく、
これからの36年のほうが(今までの36年より)変化が大きくなるのでは・・と答えられるのではないでしょうか。
インデックスファンドを用いた長期投資の『本質』は、
国別の組み入れ比率が『固定』された市場平均を買うのではなく、国別の組み入れ比率が『変容』する市場平均を持ち続けることにあります。
『国』だけではなく、
指数に組み入れられる『銘柄』も変遷します。
世界の国々、世界の銘柄を組み入れるインデックスファンドって、長い目で見た場合、
変化、変化、変化の、投資スタイルなのです。
ある意味、大胆で貪欲な投資手法であると云えます。
カテゴリ:インデックス投資全般, 指数のお話