NISAハラスメントにご注意
2025年2月28日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
投資をしている人も、
投資に興味がない人も、
同じマンションに住んで、
エレベーターホールで会えば「こんにちは」と挨拶します。
投資に興味がある人にとっては、
投資という行いは「意味あるもの」ですが、
投資に興味がない人にとって(それは)単なる記号に過ぎません。
仮にあなたにパートナーがいて、
その人が投資に興味がない・・
まったく「ゼロ」の感触である場合、
あなた(投資に興味があり・投資をやっている人)は、パートナーに対する言動にちょっと注意したほうが良さそうです。
あなたの善意で、
「投資やってみようよ」と安易に誘ったりするのは(もしかすると)立派な赤信号かもしれません。
あなたには
投資は意味あることです。
(まして)NISA口座という器は
「えっ、なんで使わないの!?」と思える存在でしょう。
でも(繰り返しですが)
「ニーサ」ということばも単なる記号でしかないのです。
頭ごなしに、
いや、非課税でお得な制度なんだから、やらないことはないよ。口座開設しようよ。という誘い方はNGです。
愚者小路さんがこちらの記事に書いておられますが、
これは立派に「NISAハラスメント」(ニーハラ)になります。
ちょっと深呼吸してみましょう。
これって逆の立場に立てば、よく分かることかもしれません。
パートナー:登山家
「あのさ、健康にもいいし、空気は美味しいし、日常忘れてリフレッシュできるよ。来週、一緒に高尾山登ろうよ!」
といきなり誘われても、
戸惑ってしまいますよね。
『パートナーには分かってもらえるはずだ!』
『パートナーも投資をしてくれれば、家庭全体でお金の増え方がぜんぜん違ってくるし!』
みたいに、
あなたの熱量と、
あなたの自己都合的な?論理で話しかけてしまうのは、ちょっと危ういかもしれません。
あくまで『パートナー目線』に徹することがとても大事なのです。
パートナーにもNISA口座を開いて投資を始めてもらうには、長く時間がかかると思っておきましょう。
(なにしろ)パートナーは今、投資に興味がないわけなのです。
※恥ずかしい話ですが、
わたしは妻につみたて投資を始めてもらうまで10年かかりました。
興味がないことに、
興味を持ってもらおうとするわけですから、数年~5年くらいの『中期の時間スパン』を持つべきでしょう。
・すぐに分かってもらおうとせず
・ごり押しをせず
・慌てない姿勢が肝要
まず【第一段階】として、
投資の話をただ短くしてみましょう。
これは登山好きなあなたが
高尾山に登ってきて、
「今日はさ、天気が良くて涼しい風も吹いてて、
鳥の鳴き声が清らかで、ホント気持ちよかったよ」と、プチ報告するようなものです。
それ以上、べらべらしゃべらない。
たとえば「つみたて投資」についての話を、
「昨日はさ、急に価格が下がっちゃったよ」とか、「ヘンな話だけど、円安に振れると、なぜかファンドの価格が上がるんだ。」とか。
何気なく
何かの話の「ついで」に、
ぼそぼそと短く呟くのです。
30秒、1分くらい。
ほとんど聞いていないと分かっていても、短く呟くのです。
それを地味に、何度も何度も継続していきます。
(適度に期間を空けながら・・)
そして【第二段階】。
晩ご飯のあとに、お茶を飲みながら、
(何かの話の「ついで」に、)
あなたの運用の『報告』をする。
半年に1回くらいで十分でしょう。
これも1分くらい。
「ざっくり」「おおまか」に、
「この6ヶ月は○○万円のマイナスになっちゃった。急に円高に振れるとすぐにマイナスになるみたい。」とか、
「この半年は円安もあって、株価も上がって、なんでか分かんないけど、10%もプラスになったんだ」
などと短く呟きましょう。
ほとんど聞かれていない状況でも、地味に・粘り強く・続けることが大切です。
そしてもし、万が一にも、
あなたが積み立てている投資信託や、つみたて投資の仕組みについて何か聞かれたら、簡潔に答えましょう。
(※ 決して熱く語ったりしないように!)
パートナーは
あなたの『日常』を知っていますから、
投資をしているのに
別に忙しそうにはしていない。
時間を割いている様子もない。
暮らしの中身は何も変わっていない。ということに気づくはずです。
(他者に)説得されて始めるのではなく、
(自分が)納得して始めること。
そのほうが結局、長続きしやすくなります。
あなたの仕事(ミッション)は、
「ちょっとやってみようかな」のひと言を引き出すことにあります。
とにかく慌てないこと・・。
たまに、
「ほんとシンプルなのよ。長ーい目で見て分散するだけ」
「ほぼ仕組みに任せているよ」
「ズボラなわたしでも、出来てるくらいなんだから・・」
みたいな台詞を吐くことは有効でしょう。
そしてめでたく
「わたし、ちょっとやってみようかな」のひと言を引き出せたら、
あなたがNISA口座を開いたのと同じネット証券で、口座開設や必要書類について、細々したところをサポートしてあげましょう。
半年もすれば、
晩ご飯のあとの話題がひとつ増えていることになります。
カテゴリ:NISA活用法