トランプ大統領、あなたは改革者ですか、それとも破壊者ですか?
2025年2月27日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
この人は、
「歴史」に名を残すのではないかと思い始めました。
偉人としてか、
狂人としてかは、まだ分かりませんが・・。
彼の名はドナルド・トランプ。
ある人は(ドラえもんの中の)
78歳になったジャイアンと呼びます。
ある人は老練なビジネスマンと言います。
先週、ロシアのウクライナ侵攻に関して
とんでもない言説が発せられました。
いったん深呼吸して、
『ウォール・ストリート・ジャーナル』の下記記事を覗いてみましょう。
Washington’s Embrace of Putin Aims to Drive Wedge Between Moscow and Beijing
-Unlike Nixon and Kissinger’s gambit in the 1970s, the strategy threatens to divide the West-
この戦略は西側諸国を分裂させる恐れがある。―
上記WSJの記事では、
トランプ陣営が
ロシアに擦り寄る姿勢を見せているのは、
「ロシア」と「中国」を分断させたい狙いがあるからだと伝えています。
以下、現代史の復習です。
1972年、
米国大統領リチャード・ニクソンが初めて中国を訪問。
毛沢東らと会談し、
米中共同宣言(上海コミュニケ)を発表します。
敵対し、
国としてすら認めていなかった中国に
アメリカは大胆にも歩み寄ったわけです。
当時の「ソ連」と「中国」の間に
くさびを打ち込むためだったとされます。
(また、中国の経済成長に関与することで、ソ連の影響力拡大を抑止する意図もあったと云われます)
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事は、
トランプ大統領の試みを
reverse Nixon「逆ニクソン」と形容します。
たしかに経済的冷徹を貫けば、
ロシアは新興国の一ヵ国に過ぎません。
アメリカにとって政治的、経済的に最大の脅威は「中国」です。
上記はあくまで一例として挙げたまでです。
トランプ大統領は既存の秩序を掻きまわし、平然と現状体制を変えてしまう『剛腕力』を持ちます。
いくら経済の影響力が増したとはいえ、
21世紀に至っても、
大国の政治のあり様が、マネーの方向性を決してしまうのは、歴然たる事実です。
もちろん、資産市場(マーケット)も大いに揺さぶられます。
狂人か、偉人か。
この大統領が施策し、
実行に移すひとつひとつの具象が、
資産の配分のされ方、世界経済に大きな影響を(良くも・悪くも)与えることは間違いなさそうです。
彼は破壊者なのか、
それとも(後年)改革者として賞賛されるのでしょうか?
一点気になるのは、
(仮にわたしが「一アメリカ人」として聞いた場合に)
トランプ大統領の言説は
心地よいフレーズが多すぎることです。
日本語的にいえば、
(耳に心地いいこと言ってるけど)なんか良すぎねぇ?
みたいな感覚。
大統領選の際、
米国のテレビで
あるコメンテーターが、
「幸福な国はトランプを大統領に選んだりしない。
絶望している国だから選んだのだ。」
という主旨のことを言っていますが、
ドナルド・トランプのエッジの効いた言動は、それだけアメリカ社会の病み(闇)が深い表れなのかもしれません。
少なくともわたしには、
トランプの言動は声高で強引なセールスマンにしか見えません。
(果たして)わたしが間違っているのでしょうか?
一点恐ろしいのは、
『世論』をコントロールする技術もツールも人も、トランプ陣営はすでに有している点です。
最後に、2012年の橘玲さんのブログ記事から引用させてください。
小沢一郎はなぜエラそうなのか? 週刊プレイボーイ連載(59)
ここでのポイントは、
その主張が正しいかどうかはどうでもいい、ということです。
どんなデタラメでも
同じことを
自信にあふれた口調で繰り返していると、
それを信じるひとが出てきます。
その人数が増えてくると、
さらにまわりを巻き込んで、
大きな集団をつくっていきます。
カルト宗教から革命まで、歴史はゴーマンな人間を中心に回っているのです。
カテゴリ:経済よもやま話